第1四半期の外国投資、前年同期比16.6%増加、日本は国・地域別4位を維持

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年05月10日

インドネシア投資省は4月28日、2023年第1四半期の直接投資実績額(注)を発表した。外資系企業による投資実績額は、前期比2.0%減、前年同期比16.6%増の119億6,050万ドルだった(添付資料表1参照)。

国・地域別投資実績額では、外国投資全体の36.2%を占めたシンガポール系が43億2,790万ドルで首位だった。投資実績件数も7,839件と最も多かった。次いで、香港系が14億6,110万ドル、中国系が12億760万ドル、日系が10億1,770万ドル、米国系が8億3,210万ドルと続いた。日系企業による投資実現額は前期比28.4%増、前年同期比23.3%増となり、前年同期と同じく国・地域別4位を維持した。

業種別で最も投資が多かった分野は、基礎金属・金属製品・非機械および器具への投資で前期比16.3%増、前年同期比12.6%増の29億380万ドル(外国系企業の投資総額の24.3%)だった。次いで、運輸・通信・倉庫が12億1,350万ドル(同10.2%)、化学・医薬品が10億6,840万ドル(同8.9%)だった(添付資料表2参照)。

地域別にみると、中部スラウェシ州での外国投資額が、19億4,880万ドルで最多だった。以下、西ジャワ州で18億9,980万ドル、ジャカルタ特別州で11億8,130万ドル、バンテン州が10億7,020万ドル、リアウ州で10億2,000万ドルと続いた。

バフリル・ラハダリア投資相は「インドネシアの独立(1945年)以降、ジャワ島への投資額がジャワ島外への投資額より高い状態が続いていたが、2020年第3四半期以降11四半期連続でジャワ島外への投資額が高くなっている。特に中部スラウェシ州はニッケル資源を工業化するための投資が実施されており、その影響が大きい」と述べた(「インベスター」4月28日)。

また、ジョコ・ウィドド大統領は、ドイツで開催された製造業分野で世界最大級の国際展示会ハノーバーメッセのオープニングで「資源の高付加価値化を戦略的分野と位置づけ、2040年までに5,453億ドルの投資誘致を進めていく計画だ」とした(「リプタン6」4月28日)。

(注)BKPM(投資省)は投資実績額について「投資実現額」という呼称を用いている。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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