英国とオランダ、洋上風力と同時接続する海底送電線を敷設へ

(英国、オランダ、デンマーク、EU)

ロンドン発

2023年05月01日

英国のエネルギー安全保障・ネットゼロ省は4月24日、英国とオランダ間で送電を行う新たな国際連系線「ライオンリンク」を敷設する計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同連系線の送電容量は1.8ギガワット(GW)。建設は、英国の送電大手ナショナル・グリッドの子会社ナショナル・グリッド・ベンチャーズとオランダの送電大手テネットが手掛ける。運転開始は2030年代初頭を見込む。

通常、国際連系線は2国間で相互接続を行うが、今回のプロジェクトは、英蘭間の北海沖に位置する洋上風力発電所と同時接続するのが特徴だ。今回の新たな連系線敷設により、両国は強固で確立された長期的なパートナーシップの恩恵を受けることができるとしている。英国とオランダは現在、2011年4月に運開された国際連系線「ブリットネッド(BritNed、送電容量1GW)」によって接続されている。

北海のエネルギーセクターにおける英国のイノベーションや知識・技能は、英国の沿岸地域に年間約200億ポンド(約3兆3,400億円、1ポンド=約167円)の投資をもたらし、約4万人のグリーン関連雇用を創出することが期待されている。

同じく4月24日にはベルギーのオステンドで「北海サミット」が開催され、北海を取り巻く参加9カ国による洋上風力の普及に向けた連携が合意された(2023年4月28日記事参照)。前述の「ライオンリンク」については、グラント・シャップス・エネルギー安全保障・ネットゼロ相によって、エネルギー安全保障を強化する革新的なプロジェクトとしてサミットで発表された。またサミットに合わせて、英国とデンマークは、より安価でクリーンなエネルギーの取引強化について個別に合意した。

(菅野真)

(英国、オランダ、デンマーク、EU)

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