フェースマスクがラベル管理の対象に

(タイ)

バンコク発

2023年05月12日

タイのラベル委員会は3月8日、フェースマスクをラベル管理の対象として規定する告示を発表した。製造業者や販売業者、輸入業者が不当な表示などを行うことを防ぎ、消費者を保護する狙い。同告示は5月10日付の官報に掲載され、掲載日から90日後に発効する予定となっている。

同告示によると、対象となるマスクは、微粒子やほこり、花粉、霧、煙などから使用者を保護する目的で、鼻と口を覆う用途に使用されるもので、さまざまな素材から製造されるマスクを含む。当該製品の品質や効果について誤解を招かぬよう、タイ語、またはタイ語を併記した外国語によって、適切な形式で説明書きを記載し、図やマーク、画像もはっきり目に見えるかたちで表示しなければならない。

ラベルに記載する必要のある情報は、製品のカテゴリーや種類、製造・販売・輸入業者の名称や商標、輸入マスクの原産国、製造・販売・輸入業者の住所、サイズ・数量・内容量・重量、成分、フィルターに使用する材料の種類、フィルター層数、「非医療用マスク」の表示、使用方法・推奨事項、警告、製造日、使用期限、価格など。

ただし、本告示に基づくラベル規制は、医療機器法に基づく医療用マスクや、輸出用に製造され、タイ市場で販売されないものには適用されない。

タイでは2022年6月に、新型コロナウイルス感染症の防疫対策としてマスク着用義務は廃止されたが、昨今のPM2.5による大気汚染の深刻化なども相まって、バンコク都内では依然として多くの市民がマスクを着用している。引き続き、安価なマスクへの需要も高いが、機能性を誇張する表示も確認され、医療用としても利用できると誤解する消費者が後を絶たないため、今回の規制導入に至ったという経緯がある。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

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