一般家庭向け住宅開発を促進、耐震性確保に向け施策

(ウズベキスタン)

タシケント発

2023年04月14日

ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領は45日、新規住宅の建設と住宅ローンに関するビデオ会議を開催し、2023年の集合住宅を含む住宅建設数をこれまでの1.5倍となる9万戸に増加させることを決定した(大統領府ウェブサイト45日)。

国民と住宅開発業者向けの新しい支援策として、a.低所得層など向け住宅ローン適用範囲の拡大、b.特定の建設資材(木材、合板、ガラス、木製型枠)の輸入関税を2025年まで免除と、高品質セメント輸入関税免除の1年延長、c.経済財務省による住宅インフラ整備と地域行政による周辺道路建設への財源確保などを実施する。

また、2023年第1四半期(13月)にウズベキスタンで地震発生の頻度が高まっていることなどから、51日から建設着工前の地質調査を必須とし、耐震安全性が求められる建物については、高い格付け(注)を持つ企業のみが建設できるなどの要件を強化することになった。国内の鉄筋コンクリートメーカーには、自社製品に対する分析設備の設置が義務付けられる。

ミルジヨエフ大統領は20221220日に発表した年次教書演説でも、全ての国民に適切な住宅を確保することを目標の1つに掲げている。ウズベキスタンの不動産会社によると、2022年の住宅建設は人口増加の割合に対し4分の1しか伸びておらず、新規住宅市場は富裕層向け高級住宅に偏り、一般家庭向けの住宅建設は勢いに乏しいという課題があった(スポット202295日)。

写真 ウズベキスタン各地で進む住宅建設、フェルガナ市「エコシティー」事業(3月18日、ジェトロ撮影)

ウズベキスタン各地で進む住宅建設、フェルガナ市「エコシティー」事業(3月18日、ジェトロ撮影)

写真 ウズベキスタン各地で進む住宅建設、アンディジャン市「新アンディジャン」事業(3月18日、ジェトロ撮影)

ウズベキスタン各地で進む住宅建設、アンディジャン市「新アンディジャン」事業(3月18日、ジェトロ撮影)

(注)2023年2月、国のシステム「透明な建設」の一部として開設されたポータルサイトで、ウズベキスタンの建設業者の格付けを確認できる。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン)

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