ボッシュ、ポーランドにヒートポンプ工場新設

(ドイツ、ポーランド、中・東欧)

ミュンヘン発

2023年04月28日

ドイツの自動車部品・電動工具メーカーのボッシュは4月19日、ポーランドにヒートポンプ工場を新設すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、欧州のヒートポンプ拡大に向けて、2030年までに10億ユーロ以上の投資を行う予定だ。

ヒートポンプ工場の建設地はポーランド南西部のドブロミエシュ。ドイツとチェコの国境近くに位置している。ボッシュは同工場新設のため、2027年末までに約2億5,500万ユーロの投資を行う。2024年に建設を開始し、2025年末または2026年初めに生産を開始する予定。2027年までに500人程度の雇用を新たに創出する見通しだ。

EUでは、ロシア産化石燃料からの脱却計画「リパワーEU」の一環として、2030年までに3,000万台のヒートポンプを新規設置する目標を掲げている。同社はこの目標に貢献するため、2030年までに総額10億ユーロ以上の投資を計画している。同社のヒートポンプにより欧州の2億棟以上の建物の脱炭素化に貢献するとの想定だ。また、ヒートポンプは新しい建物への設置が特に適しているが、既存の建物でも、ヒートポンプとガス暖房の組み合わせ(ハイブリッド)に可能性があるとしている。

ボッシュは2019年以降、ドイツのヒートポンプ分野の研究開発を強化しており、既存モデルのアップデートなども含めて、ヒートポンプのモデル数は倍増している。2022年に同社の世界のヒートポンプ関連における売上高は前年度比で54%拡大した。同社は2025年までに、欧州のヒートポンプ市場が年間25~35%増加すると予測し、市場の伸びを上回る4割増を目指している(2023年2月15日記事参照)。

近年、ドイツの暖房・給湯機器大手バイラント(Vaillant)や暖房機器大手フィースマン(Viessmann)、ダイキン工業、パナソニックなど複数の企業が相次いで中・東欧でのヒートポンプ工場の新設・稼働を発表している(2023年3月22日記事参照)。

(クラウディア・フェンデル、宮林和夢)

(ドイツ、ポーランド、中・東欧)

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