3月の物価上昇率は年率6.85%、2021年10月以来の水準に低下
(メキシコ)
メキシコ発
2023年04月11日
メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)の4月5日付プレスリリースによると、2023年3月の全国消費者物価指数(INPC)上昇率は0.27%、過去12カ月の伸び率(年率)は6.85%となり、2月末時点より0.77ポイント低下した。INPC年間上昇率は2022年では7~8%台を推移していたが、2023年2月から鈍化傾向に転じ2021年10月以来となる6%台まで低下した(添付資料図参照)。コアインフレ率(注)も2022年11月まで上昇傾向にあり、その後も高止まりしていたが、2023年2月以降に低下傾向となり、3月のコアインフレ率は8.09%まで低下した。
非コアインフレ率は3月の年率が3.27%となり、前月の5.65%から2ポイント以上も低下した。農畜産物のインフレ率は7.24%となり、特に野菜・果実においては10.17%から5.28%まで大幅に縮小した。エネルギー・公共料金も同様に2.77%から0.16%と2ポイント以上の低下になった。全国生産者物価指数(INPP)も3月単月で0.2%、年率では1.81%(前月は3.36%)となり、2022年8月以来鈍化傾向が続いている(INEGIプレスリリース4月5日)。
中銀は政策金利を11.25%に引き上げ、インフレ率の見通しを一部下方修正
中央銀行は2023年3月30日付のプレスリリースにおいて、政策金利を25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げ、11.25%とすることを発表した。金融政策決定会合で政策金利が引き上げられるのは15回連続となる。前回まで50ベーシスポイントの引き上げを行ってきたが、今回25ベーシスポイントの引き上げとなった。引き上げが限定的になった要因として、メキシコの2月および3月前半のインフレ率が主に非コア部分を中心に予想以上に低下したこと、コアインフレ率が徐々に下がってきていることを説明した。また、インフレ率の見通しは依然として2024年第4四半期には3.1%まで低下するとしており、2023年第2四半期と第4四半期を0.1ポイント下方修正した(添付資料表参照)。中銀の決定は3月前半までのインフレ率を考慮したものだが、3月後半はさらにインフレ率が低下しているので、次回の見通しに関する影響がどの程度あるのか注目される。
(注)天候などによって価格変動が大きい農産品やエネルギー価格、政府の方針で決定される公共料金を除いた価格の指数。
(阿部眞弘)
(メキシコ)
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