2022年のシカゴ市食品関連産業の売り上げは前年比3割強増加

(米国)

シカゴ発

2023年04月26日

米国イリノイ州シカゴ市を拠点とするビジネス情報メディアのクレインズ・シカゴ・ビジネス(CRAIN’S CHICAGO BUSINESS、注)は4月17日、同市の2022年の食品関連産業の動向を発表した。同社がリスト化したシカゴ所在の432社のうち、食品関連の事業者全体の売り上げは、2021年が平均で前年比約5%の増加だったのに対し、2022年は31.5%増加となった。

主に食品メーカーと加工業者の売り上げ増加が著しく、受託食品メーカーのハースサイド・フード・ソリューションズ(Hearthside Food Solutions)は約35%増加、鶏肉加工業者のコッホ・フーズ(Koch Foods)は32.5%増加したとしている。また、外食産業では、ギブソンズ・レストラン・グループ(Gibsons Restaurant Group)が30.7%増の伸び率を示し、地域最大の独立系レストラングループであるレタス・エンターテイン・ユー・エンタープライジズ(Lettuce Entertain You Enterprises)は11%増と推定している。

売り上げ増の要因をクレインズは、インフレによる物価上昇と新型コロナウイルスのパンデミックの収束だと分析している。また、金融サービス企業モーニングスターのアナリスト、エリン・ラッシュ氏は、商品の流通と配置が増加したことも増加の一因としている(「クレインズ・シカゴ・ビジネス」電子版4月17日)。例えば、小売店については、新型コロナ禍では棚が合理化され、大手ブランド製品のみがそろえられていたが、現在は、消費者がより多くの種類の商品を求めていると指摘している。

なお、異なる情報ソースであるため単純な比較はできないものの、米国商務省センサス局のデータによれば、全米の食品関連の事業者の2022年の売り上げは、「小売業およびフードサービス(Retail Trade and Food Services)」全体で前年比9.1%増と同様に増加傾向であった。

(注)クレイン・コミュニケーションズが提供する、会員向けのシカゴのビジネス情報配信サービス。購読者は、全世界で7,800万人。

(冨樫達也)

(米国)

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