日本の住宅・建築・設計関連企業が新首都「ヌサンタラ」を視察

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年04月11日

日本の住宅・建築・都市分野の企業視察団が202341日から2日にかけて、インドネシア東カリマンタン州東部で開発中の新首都「ヌサンタラ」周辺地域を視察した。インドネシア政府は、2024817日の独立記念日の式典を新首都で開催することを予定しており、基礎インフラの整備などを急ピッチで進めている。同視察団は、日本企業のインドネシア首都移転事業への参画を支援するため、一般社団法人国際建築住宅産業協会が主催した。

同視察団は、新首都周辺の水需要を満たすために開発が進められているセパク・スモイ・ダムと新首都予定地のゼロ地点、新大統領宮殿、建設労働者の宿泊施設などを視察。視察団長の和泉洋人一般財団法人日本建築センター顧問は「新首都開発がジャカルタの都市高速鉄道(MRT)や西ジャワ州で開発が進められているパティンバン港に続く、日本からの大規模事業として進められることを願っている」と述べた。

セパク・スモイ・ダムにおいては、カリマンタン河川流域センター(BWS)第4エリアの責任者であるハリヤ・ムルディアント氏が「現在(202341日時点)、セパク・スモイ・ダムの開発進捗率は約88%で、20236月に完成予定」と語った。加えて、「今後、新首都地域の長期的な水需要に対応するため、新たにバトゥ・レペック・ダムが建設される予定」とした。

また、大統領宮殿の開発において、進捗率は約10%(202341日時点)との説明があった。

写真 (左)セパク・スモイ・ダムの様子、(右)大統領宮殿周辺の様子(ジェトロ撮影)

(左)セパク・スモイ・ダムの様子、(右)大統領宮殿周辺の様子(ジェトロ撮影)

新首都への投資、最長30年間の法人税優遇

新首都を巡っては、インドネシア政府が2023年3月6日付で新首都ヌサンタラの投資制度に関する政令(2023年第12号)を交付、施行した。優遇措置として法人税の一定期間免除に関し、通常の最長20年よりも長い最長30年を与えることなどが認められている。新首都開発は2022~2045年にかけて、段階的な開発が予定されている。第1段階が終わる2024年には、政府関係機関の移転が計画されている。民間企業などからの投資がどの程度進むのか、今後の動向が注目される。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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