3月の輸出は4.2%減、6カ月連続のマイナスも予想を上回る
(タイ)
バンコク発
2023年04月28日
タイ商務省が4月26日に公表した貿易統計によると、2023年3月の貿易総額は前年同月比5.6%減の525億8,990万ドルだった。輸出額は4.2%減の276億5,440万ドルで、6カ月連続のマイナスとなった。輸入額は7.1%減の249億3,550万ドルで、貿易収支は27億1,880万ドルの黒字となった。
輸出額については前年割れが続いているものの、ロイターの事前予測(14.0%減)を上回る結果となった。商務省もプレス発表において、輸出額の前年同月比は予想していたほどには減少しなかったとしている。また、輸出額は過去5年の平均(239億490万ドル)を超えており、過去12カ月で最も高い水準に達した。
農産物・農産加工品の輸出は4.2%増となり、2カ月連続で拡大した。鶏肉(生鮮・冷蔵・冷凍)(47.9%増)、果物(生鮮・冷蔵・冷凍・乾燥)(94.5%増)、砂糖(73.9%増)などの品目が拡大したものの、ゴム(41.1%減)、ペットフード(25.0%減)などが縮小した。
工業製品の輸出については5.9%減となり、6カ月連続で減少した。半導体・トランジスタ・ダイオード(66.4%増)、空調機・同部品(16.7%増)、輸送機器・同部品(1.4%増)などで拡大した一方で、石油関連製品(14.2%減)、機械・同部品(13.7%減)などが縮小した。
仕向地別では、主力市場向けが0.8%減となった。国・地域別にみると、中国は3.9%減、後発ASEAN諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム:CLMV諸国)は3.5%減、ASEAN(5カ国)(注)は2.1%減、EU(27カ国)は7.3%減となった。一方で、米国は1.7%増、日本は10.2%増となった。
なお、2023年第1四半期は、貿易総額が2.5%減の1,436億450万ドル、輸出額は4.5%減の702億8,010万ドル、輸入額は0.5%減の733億2,430万ドル、貿易収支は30億4,420万ドルの赤字となった。商務省は、輸出は減少しているものの依然として状況は良いとしており、2023年通年の輸出の成長目標(1~2%増)を維持している(「バンコク・ポスト」4月26日)。
(注)インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ブルネイ。
(藤田豊)
(タイ)
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