カリウム肥料大手のウラルカリ、インドと供給契約を締結

(ロシア、インド)

欧州課

2023年04月11日

ロシアのウラルカリは4月5日、インドのカリウム輸入会社インディアン・ポタッシュ(IPL)と塩化カリウムの供給契約を締結した。販売価格はCFR価格(注)で1トン当たり422ドル。9月30日まで供給する。ウラルカリのビタリー・ラウク最高経営責任者(CEO)は声明で、今回の契約は業界の現状を客観的に反映していると評価し、2023年の塩化カリウム取引に当たっての重要な価格基準になるとの考えを示した。

ウラルカリは、ロシアのペルミ地方のベレズニキに本社を置くカリウム生産の世界大手。一方のIPLは、チェンナイを本拠地とする、鉱物性肥料の輸入・販売を行うインド最大の会社だ。

インド側貿易統計によると、2021年のインドのカリウム肥料輸入量に占めるロシアのシェアは4.4%だが、同年以前は1割を超え、ロシアにとってインドはカリウム肥料の主要輸出先の1つだった。今回の契約を皮切りに、化学肥料供給におけるロシア・インド両国の結びつきがよりいっそう強まる可能性もある。

(注)インコタームズ(国際貿易取引条件)の中で、船積み貨物の引き渡しでよく利用される取引条件の1つ。売り手が輸送時の運賃を負担し、買い手が保険料を支払う。

(後藤大輝)

(ロシア、インド)

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