2025年以降の廃プラ輸入の全面禁止に向け通達案を公表

(タイ)

バンコク発

2023年04月10日

タイ商務省外国貿易局(DFT)は3月25日から、廃プラスチック(廃プラ)の輸入管理に関する公聴を開始した。対象となるのは、(1)廃プラスチックの輸入許可証に関する通達外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、(2)廃プラスチックの輸入許可に関する規則外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、(3)廃プラスチックの輸入禁止に関する通達外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの3つ。それぞれウェブサイトから意見投書が可能で、4月25日まで受け付ける。

今回の公聴の対象となっている廃プラは、HS39.15に分類されるプラスチックの廃棄物・スクラップなどで、使用条件を問わない。現在でも、原則、廃プラの輸入はできないが、一定の条件を満たして工業省から輸入許可証を得ている場合や、旅行者が身の回りの品として「適正な量」(税関職員の裁量による)を持ち込む場合などといった例外がある。今回の草案により、これらの規定が改正される予定となっている。

輸入許可証にかかる通達案では、発効(官報掲載日の60日後)してから2024年12月31日までは、いかなる廃プラを輸入する場合にも、事前の輸入許可証取得を義務付けるとしている。引き続き、旅行者が廃プラスチックを身の回りの品として持ち込む場合は例外となるが、その量は「必要な量」(具体的な量は公聴会を経て決定)に限る。

輸入許可に関する規則案も、2024年12月31日まで有効となる予定。廃プラの輸入条件として(1)事業者が、タイ国内で産業用の廃プラを全く調達できない、もしくは十分量を調達できないこと(注)、(2)申請者は工業省工場局(DIW)の定める規則に従い、DIWに輸入許可証を申請すること、(3)輸入許可証は、輸入前に事前取得すること、などが規定されている。なお、輸入許可証は発行日から3カ月間有効で、1回の積み荷ごとに取得が必要となる。有効期間内に使用されなかった許可証は1回のみ延長(3カ月間)が可能だが、2024年12月31日を超えてはならない。

輸入の禁止に関する通達では、2025年1月1日以降、廃プラスチックのタイへの輸入を禁止することが規定されている。同日以降は全面的に輸入禁止となる見込みだ。

(注)当局は、事業者がDIWに届け出た生産能力に基づいて状況を判断する。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

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