バイデン米政権、西部地域の気候変動と干ばつ対策で154億ドル投資発表、コロラド川の取水制限強化も検討

(米国)

ロサンゼルス発

2023年04月18日

米国のバイデン政権は4月6日、西部地域の気候変動と干ばつへの対応策として、インフレ削減法(IRA)とインフラ投資雇用法に基づく予算を活用した154億ドルの投資を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、内務省米国開拓局(USBR)は4月11日、その具体的な取り組みとして、コロラド川流域の水位低下の影響を分析し、水利用の運用を定めた暫定ガイドラインの修正を提案する報告書の草案を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(注)。

草案では、コロラド川流域の州や関係機関、部族など利害関係者の意見を踏まえ、3つの代替案を提示している。代替案の中には、2024年のコロラド川流域のダムからの取水量を約208万エーカーフィート(約6,777億ガロン)に制限するという厳しい内容も含まれる。

USBRは4月15日から45日間、同草案に関するパブリックコメントを募集し、7月に最終文書化することを目指している。USBRは2021年8月にコロラド川の水不足を宣言し、2022年1月から流域のダムからの取水制限を開始した。これにより、近郊地域で供給停止など影響が出ている(2023年1月31日記事参照)。

西部7州(ユタ州、ワイオミング州、コロラド州、ニューメキシコ州、ネバダ州、アリゾナ州、カリフォルニア州)に居住する約4,000万人がコロラド川からの水に依存している。USBRによると、コロラド川流域のミード湖とパウエル湖は過去1世紀以上の中で最も乾燥した23年間を迎えており、水位は歴史的に低いという。このため、2024年以降も取水制限のガイドラインを実行し、近郊地域への水の供給や水力発電に支障が生じないようにする必要があるとしている。

(注)暫定ガイドラインは2007年に定められ、これに応じて取水制限などが行われている。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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