第1四半期の輸出入ともに前年同期比2桁減、輸出伸び率は7カ月連続マイナス

(台湾)

中国北アジア課

2023年04月18日

台湾財政部が4月11日に発表した貿易統計速報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2023年第1四半期(1~3月)の貿易額は、輸出が前年同期比19.2%減の977億5,200万ドル、輸入が15.8%減の888億3,900万ドルだった。台湾の貿易は2022年下半期から減速傾向が鮮明になり、単月の輸出額の伸び率は2022年9月以降7カ月連続、輸入額の伸び率も同年11月以降5カ月連続のマイナスとなった。

主要な国・地域別に見ると、最大の輸出先の中国が前年同期比33.4%減となったほか、香港は25.5%減、ASEAN16.5%減、米国16.6%減、欧州1.6%減、日本5.0%減と、軒並み減少した(添付資料表参照)。輸出額に占める中国と香港のシェアは35.1%となり、過去20年で最も低くなった。輸入についても中国、ASEAN、日本向けなどが2桁減だった。

主要品目別に見ると、輸出ではシェアの約4割を占める電子部品が前年同期比17.4%減、このうち半導体は16.2%減だった。情報通信機器(11.9%減)、卑金属および同製品(26.8%減)なども軒並み2桁減だった。輸入についても同様に、シェアの約2割を占める電子部品が前年同期比28.5%減、その他の主要品目では、一般機械が5.6%増となったものの、鉱産品(11.6%減)、化学品(18.0%減)などはいずれも減少した。

財政部は輸出減少の背景について、世界的に経済成長のスピードが鈍化していることや、最終製品の需要が依然として弱く、メーカーの在庫調整が継続していることに加え、2022年の基数が高かったことなどを挙げた。今後の見通しについては「データセンターやAI(人工知能)などDX(デジタルトランスフォーメーション)関連のビジネスチャンスが輸出の牽引力となると期待するものの、ロシアによるウクライナ侵攻の影響などにより世界的な貿易の伸びが鈍化していることに加え、米中対立による不確実性の高まりから、上半期の輸出は引き続き相当程度の下押し圧力を受けるだろう」との見方を示した。

(江田真由美)

(台湾)

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