香港でInnoEX初開催、出展者と参加バイヤーの8割超が今後のビジネス展開を楽観視

(香港)

香港発

2023年04月26日

香港特別行政区(以下、香港)政府は、香港貿易発展局(HKTDC)と共催で、イノベーション・テック系展示会「InnoEX」を4月12~15日、香港会議展覧中心においてハイブリット形式で開催した。同展示会は今回が初めての開催となる。また、「香港国際照明フェア(春)」および「香港エレクトロニクス・フェア(春)」も会期中に同時開催された。

これら3つの展示会には、合計20カ国・地域から約3,000社が出展し、中国本土、ASEAN、韓国、台湾、米国、日本など160カ国・地域から6万6,000人超のバイヤーが訪れた。InnoEXにおける基調講演では、国際的な専門家が、人工知能(AI)の活用法だけでなく、テクノロジーがさまざまな業界に与える影響力の分析結果などを説明した。また、イノベーションとテクノロジー(I&T)分野の各種セミナーなども開催された。なお、香港からは、イノベーション施設を運営する政府系機関である香港サイエンスパーク(HKSTP)やサイバーポートのほか、現地の研究機関も複数出展した。

HKTDCのソフィア・チョン副総裁は「多くの出展企業がその場で注文を受け、ビジネスパートナーシップを構築した」と述べた。さらに、今回のイベント成功については「香港が全力でI&Tの国際センターとして発展していくという決意を反映しており、国際貿易および展示センターとしての位置づけを再確認させるだろう」との認識を示した。

出展者と参加バイヤーの86%がビジネス展開・売上高見通しを楽観視

HKTDCが、1,000人超の出展者および参加バイヤーを対象に実施したビジネス展開・見通しに関する調査によると、回答者全体の86%が今後1~2年の間に全体的に売上高の上昇が期待できると楽観的な見通しを示した(注)。また、香港のイノベーション産業の優位性については、「多文化かつ高度な人材の集積」(26%)が最も多く、次に「独創的なテクノロジー解決策がある」(25%)、「中国本土と世界の仲介者としての役割」(21%)が続いた。

さらに、政策の後押しもあって、多くの企業がASEAN市場への進出を検討・計画しているなか、出展した地場企業の38%が「ASEANへの進出を試みている、もしくは計画している」と回答した。一方で、回答者全体の31%が「広東・香港・マカオ大湾区(GBA)への進出を計画している」と回答した。そのうち、89%がGBA市場での事業開始に楽観的だった。なお、回答者全体の21%はGBA以外の中国本土への拡大を計画していると回答した。

写真 HKSTPが育成したスタートアップ企業が複数出展(ジェトロ撮影)

HKSTPが育成したスタートアップ企業が複数出展(ジェトロ撮影)

写真 サイバーポートが育成した企業も複数出展(ジェトロ撮影)

サイバーポートが育成した企業も複数出展(ジェトロ撮影)

(注)全体の回答者数および個別の調査項目についての回答形式や回答者数などの詳細は発表されていない。

〔何樂晴(エスター・ホー)〕

(香港)

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