最大負荷が2022年より大幅増の見通し、一部地域で電力供給逼迫の可能性も

(中国)

北京発

2023年04月20日

中国・国家エネルギー局総合司の梁昌新司長は、国務院新聞弁公室が4月12日に開催した記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、2023年における中国の最大電力負荷が13億6,000万キロワットを超え、2022年より8,000万キロワット増加する見通しを示した。その上で、電力供給は全体としては保障されているが、一部地域では電力消費のピーク時に供給が逼迫する可能性があると紹介し、下記の5つの取り組みで対策を強化する方針を示した。

〇モニタリング、分析、早期警戒に取り組む。夏季のピークを迎えるにあたって、「1省につき1つの対策」で電力供給保障活動を実施する。増水期前に雲南省や貴州省などの水の供給状況および電力需給情勢を持続的にモニタリングする。増水期の水の供給の不確実性を充分に考慮し、夏季のピーク時における電力供給保障活動の準備を早期に行う。

〇支えとなる電源および送電ルートの建設と稼働を拡大する。支えとなる電源が1,700万キロワットを下回らないようにする。

〇発電用石炭の充分な供給を保障する。発電用石炭の量、品質、価格を重点的に保障する。

〇発電ユニットの安定的なフル稼働に全力を尽くす。発電企業に対して発電用石炭・ガスの安定供給と、質と量が充分な発電用石炭・ガスの中長期契約の締結を督促し、履行状況の監督管理を強化する。発電企業が生産活動や設備の運用・点検管理を強化し、調整指示にしっかりと従うよう監督する。

〇電力負荷管理活動に科学的に取り組む。地方政府に対し、需要サイドの対応への社会の支持・理解・参加を促し、需要サイドへの対応力をさらに高め、電力需要ピーク時の圧力を効果的に緩和させる。秩序ある電力使用対策をさらに最適化し、正確かつ詳細に実施するよう地方政府に要請する。

専門家らは、第三次産業と家庭における電力消費の急増、異常気象が増加する見込み、急速な景気回復などが、2023年の電力負荷増加の要因であるとの見方を示した(「北京商報」4月12日)。また、中国電力企業連合会の楊昆常務副理事長は電力不足の地域について、夏季は華東、華中、南方地域、冬季は華東、華中、南方、西北地域の電力需給が逼迫すると分析した(「財新」4月12日)。

(趙薇)

(中国)

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