車載電池大手のCATL、カーボンニュートラル目標を発表

(中国)

北京発

2023年04月26日

中国の車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は4月18日、2025年までに自社のカーボンニュートラルを実現、2035年までにバリューチェーン全体のカーボンニュートラルを達成するという目標を発表した。

CATLの年次報告書によると、同社のリチウム電池の販売量は2022年に289ギガワット時(GWh)に達した。同社は、このカーボンニュートラル目標実現に向けた取り組みは、リチウムイオン電池業界で最大規模としている。

同目標を達成するために、CATLは、4つのイノベーションシステムを通じ、鉱業、バルク原料、電池材料、セル製造、電池システムの5つの分野で技術的な炭素削減を実現するとした。さらに、グローバル・バッテリー・アライアンス(GBA)のバッテリーパスポート(注)試験業務に参加する中国唯一の企業として、バッテリーパスポート関連法規の整備や改善に積極的に参加し、業界のサプライチェーンの透明性、バッテリーの全ライフサイクル管理とリサイクルの推進に力を入れる予定だ。

CATLの近年のゼロカーボン実績としては、四川省宜賓市に位置する同社の工場がある。2021年に業界初のゼロカーボン電池工場となり、2022年のカーボンニュートラル認証を取得した。また、同社は2022年に400以上の省エネプロジェクトを推進し、累計で45万トンの炭素削減を実現し、グリーン電力の使用比率が26.6%に達した。

(注)バッテリーパスポートは、電池を構成する全ての材料の調達先、製造履歴、技術仕様、カーボンフットプリント、ESG指標などバッテリーの全ライフサイクルのデータを明確化・透明化し、開示するシステムだ。業界団体GBAにより推進されている。

(趙薇)

(中国)

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