日英米加仏5カ国、原子燃料サプライチェーンでの協力で一致

(英国、米国、カナダ、フランス、韓国、日本)

ロンドン発

2023年04月21日

日本を含む5カ国(日本、英国、米国、カナダ、フランス)は4月16日、G7気候・エネルギー・環境相会合(2023年4月18日記事参照)に合わせ、原子燃料の協力に関する共同声明を発表した。原子燃料調達において、サプライチェーンの多様化を目指す国々の支援を含め、ロシアからの民生用原子力および関連物資への依存を減らす意図を明確にした。

また、日英米加各国および欧州の原子力産業協会と世界原子力協会は、G7会合に合わせて「国際原子力フォーラム」を開催。脱炭素化およびエネルギー安全保障に向けた原子力の活用に関し、G7首脳に対する共同声明を発表した。

G7気候・エネルギー・環境相会合においては、原子力サプライチェーン支援のほか、既設炉の最大限活用、革新炉の開発・建設、技術および人材の獲得・強化へのコミットメントが確認された(コミュニケ原文PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)仮訳PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

日英の原子力研究技術協定を更新

4月13日には、英国国立原子力研究所と日本原子力研究開発機構が、2001年から締結している燃料サイクルや放射性廃棄物、革新炉の分野を中心とした技術協力取り決めの5年間の延長を発表した。この締結には、G7閣僚会合への出席で来日したグラント・シャップス英国エネルギー安全保障・ネットゼロ相も立ち会った。

韓国とも原子力を含むエネルギー分野での協力強化を確認

シャップス氏は、来日に先立ち韓国にも訪問しており、4月10日には洋上風力などの再生可能エネルギーや原子力を含むクリーンエネルギーに関する協力を確認、韓国政府との共同声明を発表した。

洋上風力について、英国企業はすでに、韓国の洋上風力エンジニアリングプロジェクトの60%を占めているという。また、韓国による英国への投資機会として、韓国鉄鋼メーカーのセアグループの子会社セアウインドによる、英国ティーズサイド地域におけるタービン基礎製造新工場への5億1,200万ポンド(約860億1,600万円、1ポンド=約168円)の投資を強調した。

英国政府は前述の5カ国による原子燃料協力についてのプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの中で、日本や韓国などの国々との連携を通じ、英国内で原子力技術にさらに投資し、(国外から英国に)投資する機会を開き、地域社会の雇用機会を創出したいとしている。

(菅野真)

(英国、米国、カナダ、フランス、韓国、日本)

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