EV購入意欲を持つ米国民は34%、過半数が5万ドル未満を希望、世論調査

(米国)

米州課

2023年04月05日

米国民の電気自動車(EV)に対する購入意欲は二分化されていることが、3月22日に公表されたロイターとイプソスの世論調査(注)結果から明らかになった。

ジョー・バイデン米大統領は2021年8月、2030年までに新車の50%以上をEV〔バッテリー式EV(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)〕、燃料電池車(FCV)にするという大統領令に署名しており(2021年8月6日記事参照)、消費者の購入意欲は大統領の目標を達成する上で重要な指標となっている。

同世論調査によると、「EVの購入を検討する」と回答した割合は34%で、「検討しない」は31%だった。支持政党別に見ると、民主党支持者の50%が検討すると回答する一方、無党派層では27%、共和党支持者では26%にとどまった。

調査会社マークラインズによると、米国の2022年新車販売台数に占めるBEVの割合は5.8%、PHEVの割合は1.3%となっている。EV比率は合わせて7.1%で、同販売台数は前年比49.4%増の98万7,336台だったが、バイデン大統領が掲げる目標達成までの道のりは長い。

EVの購入価格については、「5万ドル未満」を希望する回答者が56%に上った。バイデン政権はEV購入者に対し、インフレ削減法に基づく最大7,500ドルの税額控除を付与しているが、税額控除の要件は厳しく、これを満たす車両は限定的となっている。さらに、小売価格が5万ドルを超えるEVが多いため、普及に当たっては、技術開発などによる値下げが求められる。

満充電での航続距離については、35%が「500マイル(約805キロ)以上」、37%が「300マイル(約483キロ)以上」を求めているという。

(注)実施時期は3月14~20日、実施方法はオンライン、対象者は4,440人。

(片岡一生)

(米国)

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