第5回投資会議を開催、目標上回る投資が約束

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2023年04月28日

南アフリカ共和国政府は4月13日、「第5回南アフリカ投資会議」を開催した。この会議は2018年に初めて開催されたもの。シリル・ラマポーザ大統領は当初から、2023年までに1兆2,000億ランド(約8兆7,600億円、1ランド=約7.3円)の投資を呼び込むことを公約に掲げていた。全5回の会議で発表された投資総額は1兆5,100億ランドで、当初の目標を約26%上回った。政府発表によると、これまでに発表された投資案件317件のうち、約半数の161件が投資済か進行中で、実際に投資された額は4,600億ランドに上る。

今回の会議で約束された投資案件は86件で、分野は製造業、鉱業、物流、観光、インフラなど多岐にわたった。最大の案件は英国に本社を置くハイブ・ハイドロジェンによるプラント建設プロジェクトで、総額1,050億ランドの投資を約束した。同社は今後、ネルソンマンデラベイ都市圏での海水淡水化プラント建設のほか、東ケープ州のクーハ経済特区でグリーン水素とアンモニア製造用のプラント建設を予定する。

再生可能エネルギー分野での最大の投資額は45億ランドで、セルティグループ(南ア)によるムプマランガ州の155メガワット(MW)容量の風力発電プロジェクトだった。また、太陽光発電についても、ユニグリーン(ロシア)による北ケープ州での13億5,000万ランドのプロジェクトのほか、幾つかの大手鉱山企業が鉱山現場への電力供給に向けた投資を予定している。日本企業で唯一の参加となったトヨタは再エネ導入に向け、ハウテン州とクワズル・ナタール州での設備投資に10億ランドの投資を発表した。

ラマポーザ大統領は演説で、今回の会議で第1フェーズが終了したとし、今後5年間でさらに2兆ランドの新規投資を呼び込みたいと述べた。

写真 投資会議の会場(ジェトロ撮影)

投資会議の会場(ジェトロ撮影)

写真 トヨタ発表時の様子(ジェトロ撮影)

トヨタ発表時の様子(ジェトロ撮影)

(石原圭昭、堀内千浪)

(南アフリカ共和国)

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