2024年米大統領選共和党予備選の世論調査、起訴後にトランプ氏のリード広がる

(米国)

米州課

2023年04月10日

米国のドナルド・トランプ前大統領が3月30日にニューヨーク州マンハッタンの大陪審によって起訴されたが、2024年大統領選挙の共和党予備選挙を想定した最近の世論調査では、2位との差を広げ依然首位であることがわかった。

ロイターと調査会社イプソスは4月7日、2024年大統領選挙などに関する世論調査結果(注1)を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。それによれば、2024年大統領選挙の共和党候補として誰を支持するかという問いに対して、トランプ氏の支持が58%と2位のロン・デサンティス・フロリダ州知事(21%)を大幅に上回った。4日に発表された、同じ世論調査結果(注2)と比較すると、トランプ氏(48%)の支持は10ポイント上昇した一方、デサンティス氏の支持(19%)は2ポイントの上昇にとどまった。

トランプ氏は起訴後のスピーチで、「私が犯した唯一の罪は、国を破壊しようとする者たちから恐れず国を守ることだ」と述べ、無罪を主張した(「ワシントン・ポスト」紙電子版4月9日)。

選挙情報サイト、リアルクリアポリティクスの共和党候補者の4月7日付平均支持率では、トランプ氏は52.0%と過半を維持している。

ただし、トランプ氏起訴を受けて、ウォール街ではデサンティス氏支持にシフトしつつあるという報道もある。米国の大手投資ファンドのブラックストーン・グループのスティーブン・シュワルツマン最高経営責任者(CEO)や大手金融サービスのシタデル・インベストメント・グループのケネス・グリフィンCEO兼共同最高投資責任者などは、新世代のリーダーとしてデサンティス氏に期待を寄せているようだ(CNBC電子版4月3日)。

デサンティス氏は、大統領選挙への正式な立候補をまだ表明していないが、地元フロリダ州外でも、選挙人(注3)の数が多いカルフォルニア州やニューヨーク州、民主党との激戦が予想されるジョージア州やペンシルベニア州などで非公式の活動を始めている(NBCニュース電子版4月6日)。

(注1)実施時期は2023年月4月5~6日、対象者は全米の成人1,004人(共和党支持者368人を含む)。

(注2)実施時期は2023年3月31~4月3日。対象者は全米の成人2,005人(共和党支持者706人を含む)。

(注3)米国の大統領選挙は、各州に割り当てられた選挙人の投票により決定される。

(松岡智恵子)

(米国)

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