中国人民銀行アンケート、第1四半期は収入、就職は改善するも、消費意欲はわずかな伸び

(中国)

北京発

2023年04月10日

中国人民銀行(中央銀行)は4月3日、2023年第1四半期(1~3月)の都市部預金者アンケートの結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。全国50都市、2万件の預金者を対象としたもので、四半期に1度実施している。

収入、就職、物価についての項目(注)では、収入センチメント指数が前期比6.9ポイント増の50.7%、就職センチメント指数が6.8ポイント増の39.9%と大きく改善した。新型コロナウイルス感染対策の緩和などを受けて、収入、就職ともに体感的な改善が進んでいることが分かる。物価期待指数は4.2ポイント減の58.6%と、物価が安定したと捉える割合が増えている(添付資料図参照)。

一方で、消費、貯蓄、投資意向について、「より消費する」との回答は23.2%と、0.5ポイントの増加にとどまった。「より貯蓄する」は58.0%で、3.8ポイント減少したものの、「より投資する」が18.8%で3.3ポイント増加した。「より貯蓄する」の割合は2022年第4四半期(10~12月)に61.8%と過去最高を記録しており、今期はやや低下したものの、依然として高い水準にある。

今後3カ月間で支出を増加させる項目については、教育(28.4%)、医療・保健(27.6%)、旅行(24.0%)、社会文化・娯楽(19.9%)、高額商品(18.9%)、住宅(17.5%)、保険(14.1%)の順だった。住宅については前期から1.5ポイント増加した。

(注)収入センチメント指数は、当期の収入について「増加」「変わらない」と回答した割合に、それぞれ1、0.5の重みを付けた後に合計したもの。就職センチメント指数は、回答から「わからない」を除き、当期の就職が「増加」「変わらない」と回答した割合に、それぞれ1、0.5の重みを付けた後に合計したもの。物価期待指数は回答から「わからない」を除き、次期の物価が「上昇する」「変わらない」と回答した割合に、それぞれ1、0.5の重みを付けた後に合計したもの。

(河野円洋)

(中国)

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