上海市、外資誘致と活用拡大に関する措置発表

(中国)

上海発

2023年04月13日

上海市人民政府は4月4日、外資企業の投資拡大と対外開放を促進するため、「上海市における外資誘致と活用を強化する若干の措置外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。同措置は(1)高水準の対外開放策の推進、(2)外資企業誘致の強化、(3)外資企業の発展支援、(4)外商投資サービスの最適化の4分野20項目で構成している。主な内容は下記のとおり。

(1)高水準の対外開放策の推進:主に外資証券会社、基金、商品先物取引企業、生命保険会社、年金・資産管理会社、金融子会社などが同市で行う投資と経営範囲の拡大を支援する。また、通信、インターネット、教育、文化、医療などの分野で対外開放策先行的に試行する。

(2)外資企業誘致の強化:先進的技術を持つ製造業、現代サービス業、ハイテク分野と省エネ・環境保護分野への外資導入政策を推進する。各種産業政策や技術力強化、デジタル化政策などの支援を中国企業と同様に享受できることとする。また、条件に合致する場合、研究開発費用の損益計上で追加控除を受けることが可能。研究開発に係る設備購入時には、規定に基づき税金が還付または免除される。

(3)外資企業の発展支援:主に税、投融資、金融、人的往来、輸出入などの支援、規制緩和措置を行う。人的往来に関して、高度外国人材(A類)と外国専門人材(B類)の設定範囲を拡大し、外商投資企業の経営層や技術者、その家族の出入境や滞在の利便化を図る。また、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定を積極的に活用するべく、外商投資企業に対して関税優遇、原産地規則、貨物貿易規則、税関プロセスと貿易の簡便化などのRCEP関連優遇措置に関する相談サービスをオンラインまたは対面で提供する。

(4)外商投資サービスの最適化:外国人関連サービス専用特別窓口で、出入国や就労許可といった行政手続きのオンライン処理を推進。外商投資企業の公平な政府調達参与の保証。知的財産権の保護(特許権侵害、知的財産権侵害品、冒認商標登録などの違法行為に対する取り締り)を徹底し、省エネ・環境保護政策の制定時に、外商投資企業の意見を取り入れることなどを挙げている。

上海市政府によると、2023年2月末時点の累計で、上海市の対内直接投資額(実行ベース)は3,312億ドルに上り、多国籍企業の地域本部902社、研究開発センター536社、外資企業6万社が進出したと発表した。外資系企業による上海市経済への寄与度は、上海市域内総生産(GRP)の4分の1、税収の3分の1、輸出入額の3分の2を占めている。

(宋青青)

(中国)

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