3月の輸出額、29カ月ぶりに前年同月比で減少も貿易黒字を維持

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年04月21日

インドネシア中央統計庁(BPS)が2023年4月17日に発表した輸出入のデータによると、2023年3月の輸出額は前年同月比11.33%減の234億9,520万ドル、輸入額は6.26%減の205億8,790万ドルとなった。2020年10月以来、29カ月ぶりに前年同月比で減少を記録した。一方、前月比では輸出額は9.89%増、輸入額は29.33%増で、輸出額は7カ月ぶり、輸入額は3カ月ぶりに増加した。貿易収支は29億730万ドルの貿易黒字となり、35カ月連続で黒字を維持したものの、黒字幅は前月比で46.8%減少した。

3月の輸出の内訳をみると、石油・ガスが前月比で12.79%増、非石油・ガスが9.71%増といずれも増加した。輸出全体の9割超を占める非石油・ガスの内訳をみると、鉱物性燃料が14.29%増の45億4,900万ドル、鉄鋼が6.59%増の22億9,480万ドル、動植物性油脂が10.53%減の22億750万ドルの順となった。

輸入では、石油・ガス、非石油・ガスが前月比でそれぞれ25.28%、30.05%増加した。非石油・ガスの内訳をみると、機械類・輸送用機器が15.65%増の26億4,730万ドル、電気機器が29.45%増の25億6,190万ドル、鉄鋼が45.52%増の12億2,180万ドルだった。

3月の非石油・ガスの相手国別の輸出額は、中国が56億6,880万ドル(前月比12.66%増)、米国19億6,740万ドル(2.89%増)、日本17億8,250万ドル(2.47%増)となった。相手国別の輸入額は、中国が56億8,160万ドル(40.69%増)、日本14億8,580万ドル(5.59%増)、タイ11億2,420万ドル(25.12%増)と続いた。

3月単月の貿易収支をみると、米国との貿易収支が10億8,970万ドルと最大の黒字で、インドが10億7,730万ドル、マレーシアが3億8,840万ドルの黒字と続いた。一方、タイとの貿易収支はマイナス6億940万ドルと最大の赤字になった。

マンディリ銀行のエコノミスト、ファイサル・ラックマン氏は貿易黒字について、「世界中でインフレや政策金利の引き上げが続く中、需要の低迷により一次産品の価格が下落し、輸出額が減少することが予想される。そのため、特に2023年後半には貿易黒字が縮小するだろう」と述べた(「インベスター」4月17日)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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