スイス、ロシア制裁の抜け穴とのG7書簡へ反論

(スイス、ロシア、ウクライナ)

ジュネーブ発

2023年04月21日

スイス連邦経済省経済事務局(SECO)は4月18日、ロシア制裁に関してスイスが抜け穴になっているとのG7の書簡に関して、反論する声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同書簡については「ファイナンシャル・タイムズ」紙などで報道されていた。

声明で「スイスは中立かつ主権国家として法を尊重し、断固として不正に反対する姿勢を一貫している。国際法に違反したロシアのウクライナに対する攻撃から4日後にEUの制裁措置に加わり、また、その後のEUの追加制裁措置にも短期間で加わっていることはその証左」と反論した。

また、スイスは関係国と緊密に連携して対応しており、G7が3月17日に設立した「ロシアのエリート層・近親者・富豪(REPO)タスクフォース」に、現時点で正式に参加する必要はないと考えているとした。

さらに、G7の書簡に関しては根拠がないとし、次の3点について反論した。(1)個人や企業、組織に対する凍結資産額は不十分との指摘について、スイスが凍結した資産額はEU全体の3分の1に相当するもので、その際、制裁対象ではないロシア人の資産を考慮すべき、(2)資産凍結も適切に行っており、個人や企業、組織に適用され、二重国籍やスイス居住権を持つ者、間接的な資産についても適用している、(3)マネーロンダリング防止法の下で、現在、弁護士には特定のデューディリジェンス報告義務は課されていないものの、国際制裁の実施に関する関連法を順守する義務がある。マネーロンダリングは適切に規制しており、追加検討も行っている。

(竹上嗣郎、竹原ベナルディス真紀子)

(スイス、ロシア、ウクライナ)

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