第1四半期の経済成長率、前年同期比0.1%に減速

(シンガポール)

シンガポール発

2023年04月18日

シンガポール貿易産業省(MTI)は4月14日、2023年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率が速報値(注)で前年同期比0.1%と発表した。2022年第4四半期(10~12月)の同2.1%から減速した。季節調整済み前期比はマイナス0.7%で、2022年第2四半期(4~6月)のマイナス0.1%以来3期ぶりのマイナス成長となった。2022年第4四半期は0.1%で、前期からも減速した。

経済活動別に見ると、製造業が前年同期比マイナス6.0%で、2022年第4四半期(マイナス2.6%)から悪化した。MTIは「輸送エンジニアリング以外の全てのセクターで生産が縮小した」と説明した。

建設業は8.5%成長した。MTIは2023年第1四半期の建設業の成長について、公共部門・民間部門双方が支えたものの、新型コロナウイルスのパンデミック前(2019年第1四半期)の水準と比べると、21.3%下回るとした。

サービス業は前年同期比1.8%(2022年第4四半期は4.0%)成長した。部門別では、卸売・小売業と運輸・倉庫業のセクターでマイナス1.1%(2.4%)と、成長率は減少した。シンガポールの物品輸出の減少が卸売業に影響した。他方で、宿泊・食品サービス、不動産、経営・サポート・サービスおよびその他サービスの部門で6.7%伸びた。中でも、海外からの旅行客の回復により、宿泊部門が成長を牽引した。

(注)速報値は主に2023年1~2月の統計に基づく。

(糸川更恵)

(シンガポール)

ビジネス短信 2411fd1cc9f2980d