使い捨てプラスチック食器などの全廃に向けた条例改正へ

(香港)

香港発

2023年03月27日

香港特別行政区政府は315日、使い捨てプラスチック食器(以下、プラ食器)などの全廃に向けて、関連条例の改正案を立法会(議会)に提出した。議会の承認を得れば、まずはプラ食器の提供が禁止され、次に他のプラスチック製品も規制される。

プラ食器の規制については、2段階に分けて行われる(添付資料表1参照)。第1段階では、カップと蓋(ふた)、容器と蓋のプラ食器を飲食店内で提供することを禁止するとし、第2段階で最終消費者向けの販売やテイクアウト向けの使用も禁止するとした。なお、発泡ポリスチレン(発泡スチロール)製食器やストロー、マドラー、皿などのプラ食器の規制については、段階的に行われず販売および店内やテイクアウトでの使用が全面的に禁止される。

環境・エコロジー局の担当者によると、同改正案は、立法会の審議を通過してから6カ月後(早ければ2023年後半もしくは2024年前半)に第1段階の規制を開始する予定。第2段階の実施タイミングについては、再利用可能なプラスチック代替品などの入手状況や価格次第で判断するという。

なお、過去5年間の香港におけるプラ食器の輸入総額をみると、新型コロナ感染拡大などの影響で落ち込んだ2020年からの回復が続いている(添付資料表2参照)。2022年には最高額を記録するなど、プラ食器への需要が増加しているとみられる。また、主な輸入国・地域別では、日本は2位を維持している。同改正案が可決となれば、プラ食器から持続可能なプラスチック代替品などへ移行していくことが予想される。

(周天任)

(香港)

ビジネス短信 fba0e023eb2fcaa8