第2回IPEF交渉官会合、関連ビジネスフォーラムをバリで開催

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年03月29日

インド太平洋経済枠組み(IPEF)の第2回交渉官会合の開催に合わせて、「インド太平洋商工会議所ビジネスフォーラム」(Indo-Pacific Chambers of Commerce and IndustryIPCC)が2023318日、インドネシア・バリで開催された。フォーラム内でスピーチを行ったアイルランガ・ハルタルト経済担当調整相は「IPEFの新しいアプローチを推進する米国のリーダーシップに感謝する」とし、「パートナー国は国境を越えた商取引を深めるための新しいアイデアや、既存のアプローチにおける協力関係を強化するために、イノベーションを起こすという点で団結するだろう」とIPEFへの期待を示した。その上で、「インドネシアは、インド太平洋地域とASEAN全体の包括的で持続可能な成長を維持することにコミットする」と結んだ。続いて、西村康稔経済産業相がビデオメッセージで、IPEF交渉のポイントであるデジタライゼーション、サプライチェーンなどについて、具体的な日本企業の取り組みを紹介した。

フォーラムでは、IPEF交渉でも取り扱われる、デジタライゼーション、サプライチェーン、クリーンエナジーのテーマに分け、パネルディスカッションが行われた。デジタライゼーションのパートでは、「デジタル化はコミュニケーション&コラボレーション、セキュリティー、コネクティビティの3つの柱で強固な基盤を作ることで推進しなければならない」との議論が行われた。サプライチェーンのパートでは、「サプライチェーン強靭(きょうじん)化には、デジタル技術の有効な活用と、パートナーシップが重要だ。サプライチェーンの強靭化が地域全体の成長につながる」との議論が行われた。ジェトロがパネリストの1人として登壇したクリーンエナジーのパートでは、人口が増加しエネルギー需要が増加する中で、再生可能エネルギーの活用を促進するインセンティブの重要性などが議論された。

IPEFの第2回交渉官会合は、31319日にインドネシア・バリで開催された(2023322日記事参照)。317日には、ビジネス界の声を集めるためのステークホルダーエンゲージメントが開催され、米国からは米国通商代表部(USTR)のサラー・エラーマン交渉官、商務省のシャロン・ヤン交渉官らが参加した。ジェトロのほか、参加各国の企業やビジネス機関からも情報共有がなされた。

写真 ビジネスフォーラムの様子(ジェトロ撮影)

ビジネスフォーラムの様子(ジェトロ撮影)

写真 ステークホルダーエンゲージメントの様子(ジェトロ撮影)

ステークホルダーエンゲージメントの様子(ジェトロ撮影)

(尾崎航)

(インドネシア)

ビジネス短信 fa67a380da9d7c44