ボリッチ大統領就任から1年の節目に2度目となる内閣改造を実施
(チリ)
サンティアゴ発
2023年03月14日
チリのガブリエル・ボリッチ大統領は3月10日、内閣改造を実施した。2022年9月に行われた新憲法草案の承認の是非を問う国民投票が否決されたことを受け実施した閣僚交代に続き2度目で、外相を含む5人のポストの入れ替えが行われた(添付資料表参照)。
新閣僚は、5人中4人が政党に属さない無所属からの人選となっている。これまで1年間にわたり外相を務めたアントニア・ウレホラ氏の後任は、アルベルト・バン・クラベレン氏が選出された。同氏は、2001~2006年までEU、ベルギー、ルクセンブルクのチリ大使を務に第1次ミチェル・バチェレ政権時(2006~2010年)には外務次官官房を務めた経歴を持つ。また、新たな公共事業相には社会党(PS)所属で、女性初となるチリ国営銀行(Banco Estado)の代表を務めたジェシカ・ロペス氏が就任した。同氏はチリ大学在学時(1974~1978年)に共産党の青年組織に所属していた経歴がある。
加えて、ボリッチ大統領は、5閣僚の交代とともに15人の次官官房の交代も発表した。その中には国際経済関係次官官房(SUBREI)のホセ・ミゲル・アウマダ氏も含まれており、後任には直前まで財務次官官房だった民主革命党(RD)のクラウディア・サンウエサ氏が就任している。
今回の内閣改造は、ボリッチ政権の2大連合のうちの1つ中道左派連合(Socialismo Democrático)からの圧力があったと3月11日付「エル・メルクリオ」紙は報じているものの、ボリッチ大統領はそれを否定しており、内閣改造により国と国民が直面している緊急を要するニーズに対して管理を徹底することを目指していると言及した。
(岡戸美澪)
(チリ)
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