チェコ国家サイバー・情報安全局、TikTok使用に警告

(チェコ、中国)

プラハ発

2023年03月14日

チェコ国家サイバー・情報安全局(NUKIB)は3月8日、中国系の動画共有アプリTikTokの使用に関して警告を発する声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同局は、国内の重要な情報通信システムにアクセスする電子端末での同アプリ使用は、サイバーセキュリティーを脅かす恐れがあると指摘しており、危険度は「高」と定めている。

同局はその主な根拠として、TikTokがユーザーに関する大量の情報を集積していることなどを挙げた。そのため、政治的、公的に高い地位にある者に対しては、同アプリを使用しないよう推奨した。同時に、一般に対しても、同アプリの使用、特にこれを介してシェアする内容を慎重に考慮する必要があると説明している。NUKIBのルカーシュ・キントル局長は、今回の警告は、TikTokに関して公的情報源、および同局の協力機関から得た情報を分析した結果、必要と判断したものと説明している。「集積データ量とその保管・処理、これに中国の法的環境およびチェコ国内のユーザー数増加状況に鑑みれば、TikTokはセキュリティー上の脅威とみなさざるを得ない」と同局長は述べた。

NUKIBによると、チェコ国内のTikTokのアクティブユーザー数は現在約200万人に達している。

今回の警告は、TikTokの使用禁止を強制する拘束力は持たず、その使用は、ユーザー各自の判断に委ねられている。

チェコ外務省は同日、NUKIBの警告を踏まえて、業務用端末においては同アプリの使用を制限するとツイッター上で発表した。同省はこの中で、NUKIBと同様にTikTokを高リスクと判断しており、NUKIBの警告を歓迎するとしている。

欧州委員会はすでに、2月23日に欧州委職員の業務用電子端末におけるTikTokの使用を一時的に禁止することを決定している(2023年2月27日記事参照)。また、これに先立って、米国では2022年12月に下院の電子端末から同アプリを排除するよう通達がなされた(2023年1月4日記事参照)。

(中川圭子)

(チェコ、中国)

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