山東省、新汚染物質管理行動プランを公表、管理を厳格化

(中国)

青島発

2023年03月01日

中国の山東省政府は2月5日、国務院が2022年5月4日に制定した「新汚染物質管理行動プラン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の要請に基づき、同省の状況に合わせた「山東省新汚染物質管理作業プラン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。

新汚染物質(注)は、主に有毒・有害化学物質を生産・使用した際に発生する。中国国内外で広く注目を集める新汚染物質としては、残留性有機汚染物質(POPs)や内分泌かく乱物質、抗生物質などが挙げられる。

山東省のプランでは、製薬や石油化学、農薬、基礎化学原材料の製造、紡績・捺染、フッ素化学工業などの重点分野に焦点を当て、新汚染物質のスクリーニングやリスク評価、コントロールを試験的に実施するとしている。主な取り組みについては以下のとおり。

(1)新汚染物質の発生源を厳格に管理し、発生を予防する。

  • 新化学物質環境管理登記弁法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を厳格に実施し、その登記に対する監督・検査を強化する。
  • 産業構造調整指導目録外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で廃止分野に含まれる工業化学製品、農薬、薬品、化粧品などは期限を設定して廃止する。期限までに廃止されない場合は、法律に基づき、製品登録や製造許可証の発行を停止する。玩具や学生用品などの関連製品の新汚染物質の含有量については、強制性国家標準を通じて管理する。また、環境ラベル製品認証とグリーン製品認証の監督管理を強化し、重要な消費材の環境ラベル認証で、新汚染物質を重点的に管理するためのラベル化や表示を推奨する。

(2)プロセスの管理を強化し、新汚染物質の排出を削減する。

  • クリーン生産とグリーン製造を強化する。有毒有害な化学物質を使用・排出する企業に対して、法律に基づき、強制的なクリーン生産の審査を行う。クリーン生産への転換を推進し、排出ガス規制に盛り込まれた新たな汚染物質を厳格に管理する。
  • 抗生物質の使用管理を規範化する。抗菌薬の臨床応用の管理を強化し、薬局での処方箋に基づく抗菌薬の販売を厳格に実施する。
  • 農薬の使用の管理を強化する。毒性が高く、リスクの高い農薬の排除と代替を厳格に実施する。

(3)末端管理を深化し、新汚染物質の環境リスクを低減させる。

  • 新汚染物質を含む廃棄物の収集、利用、処理を強化する。また、新汚染物質の管理能力を向上させるため、政府は新汚染物質の環境モニター、環境リスク評価、残留性有機汚染物質の代替品および代替技術の研究開発を支援する。新汚染物資の処理に係る先進的で成熟した技術と設備を積極的に普及促進させる。

山東省プランでは、これらの取り組みを通じて、2025年までに同省で新型汚染物質の管理システムの初期確立を達成し、管理能力を大幅に向上させるとしている。

(注)一般的な汚染物質とは異なり、近年に発見または注目され、生態環境や健康に対してリスクがあり、かつまだ管理されていない、あるいは既存の管理措置ではそのリスクを十分にコントロールできない汚染物質を指す。

(董玥涵)

(中国)

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