ファッション展示会「トラノイ・ウィメン」が開催、日本企業の姿戻る

(フランス)

デジタルマーケティング課

2023年03月23日

高級既製服などの新作発表会のパリ・コレクションなどで知られるパリ・ファッションウィークの期間中に開催され、世界的な注目度を誇るウィメンズファッション展示会「トラノイ・ウィメン 2023外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が325日、フランス・パリのブロンニャール宮殿(旧証券取引所)で開催された。今回は36の国と地域から166のブランド(注)が出展し、同時期にパリ市内で開催されるファッション展示会「プルミエール・クラス」(会期:336日)や「ウーマン」(335日)などと合わせて世界各国から多くのバイヤーや業界関係者が来場した。

写真 トラノイ・ウィメンの様子(ジェトロ撮影)

トラノイ・ウィメンの様子(ジェトロ撮影)

展示会場は、コンテンポラリーファッションのエリアと、アクセサリー・装飾品のエリアの大きく2つに分かれた。加えて2022年ごろから見られる顕著な動きとして、各国政府や諸機関などの支援により国・地域単位で特設のブースやエリアが設けられた。今回はソウル市の支援による「ソウル・ファッションウィーク」とのコラボエリアや、アフリカ輸出入銀行などの支援によるアフリカ各国ブランドの共同出展エリア、またペルー政府による特設ブースが設置された。主催者によると、トラノイを含め、パリ市内で開催されている著名なファッション展示会への出展数は年々減少の傾向をたどっているとのことだが、各地域の個性を前面に出したこれらのエリアへのバイヤーの関心は高く、同展示会が持つ独自性が感じられた。

写真 「ソウル・ファッションウィーク」とコラボした共同出展エリア(ジェトロ撮影)

「ソウル・ファッションウィーク」とコラボした共同出展エリア(ジェトロ撮影)

新型コロナ禍による海外への渡航制限の影響を受け、2022年の「トラノイ・ウィメン」への日本企業の出展数は、3月展にわずか1社、9月展は6社にとどまっていたが、渡航制限の解除後に実施された今回は、13ブランドが日本から参加した。今回初めてトラノイに出展した日本企業からは「海外への渡航が容易になり、テストマーケティングの一環として新たにリアルでの展示会への出展を決意した。展示会では長期スパンでの計画を大事にしており、初回である今回はバイヤーへの積極的なアピールと認知度向上に重点を置きたい」との声が聞かれた。さらには次回以降の出展を見据え、展示状況の下見を目的に来場する日本の事業者の姿も数多く見られた。

次回のSS(春夏)コレクションの開催期間中には、メンズファッション展示会「トラノイ・メ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が62225日に、ウィメンズファッション展示会「トラノイ・ウィ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が928日~10月1日に開催予定。

(注)パンフレットを基にジェトロが数えた。1ブランドが複数カテゴリーに分類されていた場合、重複カウントした。また、ショールームなどが各ブランドを紹介した場合、ブランド数には各ブランドを計上したが、国・地域数にはショールームの国・地域のみを計上した。

(野崎太輔)

(フランス)

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