韓国政府、重要鉱物資源のサプライチェーン安定化対策を発表
(韓国)
ソウル発
2023年03月01日
韓国産業通商資源部は2月27日、重要鉱物資源のサプライチェーン安定化のための「核心鉱物確保戦略」を発表した。同戦略を通じ、半導体や二次電池などの先端産業の鉱物資源調達の特定国に対する依存度を下げるとともに、国内の鉱物資源を最大限活用することで、自然災害や地政学、価格高騰などのサプライチェーンリスクの低減を目指す。
具体的には、2030年までにリチウム、コバルト、黒鉛など、特定国からの輸入依存度が現在80%以上の鉱物資源について、輸入依存度を50%台に引き下げ、2%台となっている重要鉱物資源のリサイクルの割合を20%台に引き上げる。同戦略の概要は以下のとおり。
- 経済安全保障の観点から管理が必要な33種類の重要鉱物資源を選定し、このうち、半導体や二次電池など先端産業のサプライチェーンの安定化に必要な10種類の戦略重要鉱物(注)を優先的かつ集中的に管理する。
- 重要鉱物の備蓄日数を現行の54日から100日に拡大し、緊急時には8日以内に需要企業に重要鉱物資源を供給する制度的基盤を整備する。
- 重要鉱物の産出国との間のハイレベル資源外交を活性化し、政府間MOUの締結などを通じて2国間協力を強化する。
- 民間企業の海外資源開発を活性化するため、公的機関による融資、保証、保険制度などの金融支援を強化する。
- 電気自動車(EV)、二次電池などの使用後に発生する廃資源をリサイクルできる循環体系を構築し、リサイクルを担う中小・中堅企業の事業化を支援するための実証センターとクラスター構築を推進する。
(注)リチウム、ニッケル、コバルト、マンガン、黒鉛、希土類(セリウム、ランタン、ネオジム、ジスプロシウム、テルビウム)の10種類。
(当間正明)
(韓国)
ビジネス短信 bf06360b00e2700b