模倣品対策啓発動画コンテストをニューデリーで日印共同開催

(インド、日本)

ニューデリー発

2023年03月10日

ジェトロとインド商工省産業国内取引促進局知的財産権推進管理室(CIPAM)は228日、インド一般消費者向け模倣品対策啓発動画コンテストの最終選考会をニューデリーで行った。日本の特許庁(JPO)のほか、インド商工省産業国内取引促進局(DPIIT)、中小零細企業省(MSME)、情報・放送省(MIB)、CIPAMの審査員が、20の応募作品の中から最終選考に残った7本の動画を審査し、最優秀賞1本、優秀賞2本を選出した。

今回のコンテストは、インド国内の一般消費者に対して、模倣品・海賊版が消費者にもたらす健康・安全上の危険性を訴え、正規品の信頼性への理解を深めることを目的とした日印共同事業だ。コンテストはインド人であれば誰でも参加ができ、啓発動画を制作する応募者自身の啓蒙(けいもう)をも狙う取り組みの一環として開催された。

同コンテストでは、最終選考に残った候補者から、自身が制作した動画について、作品の背景、作品に込めた思い、制作に当たって留意した点などについて審査員へ説明がなされた。審査においては、分かりやすさのみならず、いかにインドの消費者の興味を引くかという観点も重視された。

インドでは、E-コマースの拡大に伴い模倣品・海賊版が摘発されにくくなったことで、従来よりも模造品・海賊版が市場に出回りやすい状況が生まれている。警察や税関は本対策を進めているところで、模倣品・海賊版の被害拡大を抑えるためには、一般消費者の知的財産権保護への理解も欠かせない。コンテスト後、審査員からは「消費者への知的財産権に関する啓発活動は数多く開催されているが、今回のような(一般消費者が参加するような)コンテスト企画は新鮮だった」という声があがった。

写真 模倣品対策啓発動画コンテストの最終選考会の様子(ジェトロ撮影)

模倣品対策啓発動画コンテストの最終選考会の様子(ジェトロ撮影)

(ジェニカ・カルラ、渡部博樹)

(インド、日本)

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