2022年のGDP成長率は2.4%、プラス成長を維持

(チェコ)

プラハ発

2023年03月06日

チェコ統計局の3月3日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2022年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率(季節調整済み)は前期比マイナス0.4%で、第3四半期(7~9月)のマイナス0.3%に続いてマイナス成長を記録し、テクニカルリセッション(注)入りが確認された。2022年通年の成長率は2.4%で、2021年の3.5%から減速したものの、プラス成長を維持した。

第4四半期のGDP成長率を需要項目別にみると、民間最終消費支出が前期比2.8%減で、寄与度(マイナス2.9ポイント)のマイナス幅でも最大となった。総資本形成も1.3%減少し、前期の0.5%減から0.8ポイント低下した(添付資料表1参照)。

産業部門別にみると、製造業は前期比1.6%増で、前四半期同様にプラスを維持した。情報・通信部門は1.4%減で、最大の減少幅となった(添付資料表2参照)。

2022年通年のGDPを需要項目別にみると、最大の上昇要因となったのは総資本形成で、寄与度は1.4ポイントだった。外需も好調な伸びを示し、寄与度は0.6ポイントだった。一方、民間最終消費支出は前年比0.9%減となり、GDP成長率を0.7ポイント押し下げた。

産業別にみると、農林水産業(前年比2.4%減)以外は全てプラス成長で、製造業は2.9%増と堅調な伸びを示した。前年はマイナスを記録した建設、不動産部門の成長率はそれぞれ1.9%、2.9%のプラスに転じた。

産業連盟は同日に発表したコメントで、部門別では製造業が2022年の経済成長に最大の貢献をしたと述べた。同連盟のボフスラフ・チージェック経済政策部長は同年の実質GDP成長率に関して、比較対象の2021年の数値が新型コロナウイルスの影響で低水準にあったことや、新型コロナウイルス禍の障壁によって消費者の需要や企業投資が延期されて、2022年にずれ込んだことがプラス影響となったとしながらも、「高インフレ率、エネルギー価格、その他の不安定要素などの障害の積み重ねが徐々に経済活動の重荷となり、2022年後半には経済が鈍化し始めた」と述べている。今後の経済見通しについて、同連盟は、秋季予測より改善されているが、依然として経済はネガティブな動きに非常に敏感な状態にとどまっており、これは企業の投資、受注における慎重な姿勢に表れていると強調した。

チェコ国立銀行(中央銀行)は2月2日に公表した最新経済見通しで、2022年GDP成長率について、11月3日発表の2.2%から2.5%に、2023年に関してはマイナス0.7%からマイナス0.3%にそれぞれ上方修正している。

(注)2四半期連続での前期比マイナス成長。

(中川圭子)

(チェコ)

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