2022年のFTA利用輸出額は前年比10.9%増、RCEP協定利用は約10億ドル

(タイ)

バンコク発

2023年03月16日

タイ商業省外国貿易局(DFT)は3月14日、2022年のタイからの輸出における自由貿易協定(FTA)利用統計を発表した(注)。同統計によると、同年のFTAを利用したタイからの輸出額は、前年比10.9%増の846億3,300万ドルに上った。FTA利用が可能だった輸出額は1,030億7,800万ドルだったため、FTA利用率は前年から上昇し、82.1%となった(添付資料表1参照)。

仕向け地別でFTA利用額が大きかったのは、ASEAN(307億9,600万ドル)、中国(264億7,000万ドル)、オーストラリア(87億7,000万ドル)、日本(72億9,500万ドル)、インド(62億6,300万ドル)の順だった。日本向けのFTA利用率は82.3%だった(添付資料表2参照)。

協定別に利用額の大きいFTAは、ASEAN自由貿易協定(AFTA、ASEAN物品貿易協定:ATIGA)が307億9,300万ドル、ASEAN中国自由貿易協定(ACFTA)が262億9,100万ドル、日本タイ経済連携協定(JTEPA)が67億2,300万ドル、タイ=オーストラリアFTA(TAFTA)が60億4,100万ドル、ASEANインドFTA(AIFTA)が57億2,400万ドルの順だった(添付資料表3参照)。

2022年に発効した地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の利用額は通年で9億9,500万ドルだった。発効初年にして8番目に多く利用されている協定となっている。RCEP協定を利用した主な輸出品目は、潤滑油、ツナ缶、スライス状のキャッサバ、生鮮ドリアン、写真機/映写機用レンズ、エアバッグ・同部品、紡織用繊維、自動二輪(排気量250cc~500cc)、コメ油、サバ調整品など。

(注)同統計で計上されるFTAは、タイが締結する14のFTAのうち、ASEAN=香港FTA(AHKFTA)とタイ=ニュージーランド経済緊密化連携協定(TNZCEP)を除く12協定。TNZCEPの原産地証明は自己証明のみで、商務省が発給当局ではないため、データが収集できない。香港は自由貿易港で輸入関税がかからないため、FTAを利用する必要がない。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

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