トルコ、2022年の実質GDPは5.6%の成長

(トルコ)

イスタンブール発

2023年03月02日

トルコ統計機構(TUIK)の発表(2月28日外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、2022年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率は、3%前後との市場予測を上回り、前年同期比3.5%となった。季節・日数調整後の成長率(前期比、年率換算)では0.9%だった。これにより、2022年通年の実質GDPは前年比5.6%の成長となり、政府目標の5.0%を上回った。

第4四半期の成長率を支出項目別にみると、GDPの最大項目の家計最終消費支出は、耐久消費財を中心に成長の牽引力となったが、前年同期比では前期の20.4%から16.1%に減速した。他方、政府支出は前期の4.7%から9.0%に伸びた。民間投資を含む総固定資本形成は2.6%だった。輸出は、ロシアのウクライナ侵攻に伴う主要市場の減速を要因に、マイナス3.3%だった一方、輸入は、エネルギー価格の高騰もあって10.2%となり、純輸出はマイナス寄与となった。

生産部門別にみると、金融・保険業が前年同期比で13.4%と最大の伸びを見せたが、前期比ではマイナス1.5%と下半期は減速が続いた。サービスも8.6%と好調だった。建設も前期のマイナス15.0%から2.0%へとプラスに転じた。

2022年の名目GDPは9,055億ドルで、前年の8,071億ドルから増加した。1人当たりGDPも、前年の9,592ドルから1万655ドルに増加し、政府目標を上回った。しかし、新型コロナクイルス禍が始まって以来、GDPに占める労働所得の比率が低下していることから、成長が均等に分配されていないと指摘されている。

2022年通年の実質GDP成長(5.6%)は、個人消費(19.7%)が牽引した。同様に設備投資も11.8%増と好調だった。外需は、上半期に好調だった輸出が下半期に減速し、輸入の伸びが輸出を上回ったことで、純輸出の寄与度は鈍化した。生産部門別では金融・保険業が上半期の好調によって21.8%、サービスも11.8%と好調だった。他方、建設はマイナス8.4%と低迷した。

(中島敏博)

(トルコ)

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