食品・小売り国際見本市「EXPO ANTAD」がモビリティの新時代をテーマに開催、1,200社が出展

(メキシコ)

メキシコ発

2023年03月13日

食品や小売業界の総合見本市である「エキスポ・アンタッド(EXPO ANTAD2023」が379日、メキシコのグアダラハラ市で開催された。メキシコや中南米における食品・小売関連市場への参入を目指す約1,200社が出展した。海外から35カ国が参加し、うちナショナルパビリオンでの出展は15カ国となった。ナショナルパビリオンでは、米国とカナダの大規模な出展が目を引いていたが、一方で、中国やコロンビアなどは企業ブースのみの出展となった。参加者は、バイヤーやディストリビューターを含む47,000人以上が来場した。開催40周年を記念し、開会式にはラケル・ブエンロストロ経済相が出席し、パビリオンの回覧も行われた。

写真 にぎわうナショナルパビリオン(ジェトロ撮影)

にぎわうナショナルパビリオン(ジェトロ撮影)

今回のテーマは「モビリティの新時代」。新型コロナウイルス感染拡大の影響による小売業界の物流の変化を捉え、物流関連企業の出展やラストワンマイルのサービスや商品物流の自動化などの講演が行われた。また、出展者が事前に商談依頼ができるアプリを利用し、国内小売り大手のチェドラウイやソリアーナなど15社と商談が可能な特設ブースが設置された。

主催者のケルンメッセによると、EXPO ANTADは会場内で出展者が商品を販売することが可能で、食品のデモスペースが特徴的だ。またケルンメッセの担当者は、2023年は特にレストランやホテルの関係者を積極的に誘致し、出展者と来場者間での商談が活発になることを意識したと語った。さらに、EXPO ANTADのビセンテ・ヤニェス会長は記者会見で、「3日間の展示会で250億ペソ(約1,825億円、1ペソ=約7.3円)の取引が成立すると予想しており、新型コロナウイルス感染拡大以前の2019年の数値を上回るだろう」と述べた(「エル・エコノミスタ」紙37日)。

米国のナショナルパビリオンで展示されていた「辛ラーメン」を販売するノンシン・アメリカ(NONGSHIM AMERICA)のエクトル・テヘダ輸出セールスマネジャーは「メキシコ国内でここまで多くの顧客候補に会える機会はなかなかない。出展を検討しているなら、絶対に出るべきだ」と強調した。

写真 NONGSHIM AMERICAのブース(ジェトロ撮影)

NONGSHIM AMERICAのブース(ジェトロ撮影)

(阿部眞弘)

(メキシコ)

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