コロンビア石油公社の2022年度決算、過去最高益を記録

(コロンビア)

ボゴタ発

2023年03月06日

コロンビア石油公社(エコペトロール)は2月28日、2022年度(1~12月)の決算を発表した。純利益は33兆4,060億ペソ(約1兆20億円、1ペソ=約0.03円)で前年比約2倍、税引き前利益は54兆3,140億ペソ(前年比約2倍)となり、過去最高益を記録した。資源高や通貨ペソ安が追い風となったことが好調の主な理由だ。2021年8月に51.4%の株式を取得した送電会社イサの収益が寄与したことや、燃料やガスの国内需要が伸びたことも収益を押し上げた。原油価格については、2022年のブレント原油価格は平均で1バレル当たり100.93ドルと、前年平均の70.86ドルから約4割上昇したことにより、37兆7,000億ペソの売上高プラス効果があった。

売上高は、前年比73.8%増の159兆4,740億ペソだった。52.5%を占める国内売上高は前年比86.6%増の83兆6,520億ペソで、ジェット燃料およびディーゼル燃料(数量ベースで17.9%増)とガソリン(12.4%増)の需要拡大が寄与した。47.5%を占める海外売上高も、61.6%増の75兆8,220億ペソと拡大した。輸出量は、原油が前年比6.5%増えた一方、ディーゼル燃料などの石油製品は国内需要を優先させたため輸出が15.3%減少した。

生産量は前年から4.5%増え、日量70万9,500バレルとなり、当初見通しを上回った。ガス・油井の探査では、カリブ海沖やマグダレナ渓谷など7鉱区において24カ所(原油14カ所、ガス10カ所)の探査を行い、推定埋蔵量の50%以上が確認埋蔵量となった。

2022年の投資額は54億8,800万ドルで、79%が国内、21%が米国およびブラジルでの投資に充てられた。投資の6割以上は探査・生産に関連するが、脱炭素やエネルギー効率化、水素などに関わるプロジェクト「SosTECnibilidad」(注)にも5%に当たる2億9,500万ドルが投入された。エコペトロールは2023年投資計画で、これらのプロジェクトに2兆3,000億ペソ(約4億7,000万ドル)を投じると発表しており、エネルギー転換を推し進める姿勢を鮮明にしている。

(注)エコペトロールが2019年に定義した言葉で、社会的および環境的課題に対する革新的な解決策を開発するために技術を活用するというコンセプト。現在、同社の企業戦略の4つの柱の1つとなっている。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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