2月の製造業PMIが52.6と2012年4月以来の高水準に

(中国)

中国北アジア課

2023年03月03日

中国の国家統計局と物流購買連合会が3月1日に発表した2月の製造業購買担当者指数(PMI)は、前月よりも2.5ポイント上昇の52.6と、2カ月連続で50の境界線を上回った(添付資料図1参照)。2012年4月(53.3)以来の高水準になった。なお、2023年2月の非製造業のビジネス活動指数も2カ月連続で50を上回り、前月より1.9ポイント上昇の56.3と、2021年3月(56.3)に並ぶ高水準だった。

国家統計局サービス業調査中心の趙慶河高級統計師は同日、2月の製造業PMIの上昇について、経済安定化に向けた政策の効果がさらに表れ、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大の影響が薄れてきたことなどもあり、企業活動の正常化が加速し、景気が引き続き回復したとの見解を示した。

製造業PMIを構成する指数では、生産が前月より6.9ポイント上昇の56.7、サプライヤー配送時間が4.4ポイント上昇の52.0、新規受注が3.2ポイント上昇の54.1と大きく改善した。ただし、原材料在庫は0.2ポイント上昇したものの49.8と境界線を下回ったままだ。また、製造業PMI関連指数では、新規輸出受注が52.4、輸入が51.3とそれぞれ6.3ポイント、4.6ポイント改善した。

企業規模別でみたPMIは、大型企業、中型企業、小型企業でそれぞれ53.7、52.0、51.2となった。50の境界線を超えたのは、大型企業では2カ月連続、中型企業と小型企業ではそれぞれ2022年6月(51.3)、2021年4月(50.8)以来となった(添付資料図2参照)。

中国では新型コロナの防疫規制の緩和が進み(2022年12月28日記事2022年12月28日記事参照)、春節(旧正月)休暇期間(1月21~27日)を終えた後も感染者がコントロールされていることなどから、経済活動の正常化が進んでいるとみられる。

中国疾病予防コントロールセンターの2月25日の発表データによると、新型コロナの1日当たりのPCR検査の陽性者数は、2022年12月22日の694万人をピークに多少の変動を経ながら減少し、2023年2月23日には1万2,738人となった。PCR検査の陽性率も、2022年12月25日の29.2%をピークに減少傾向を続け、2023年2月23日には1.4%となった。

物流購買連合会の張立群特約アナリストは、2月の製造業PMIの上昇の背景には、春節要因があるものの、明らかに経済が全面的、持続的に回復していると指摘した(「第一財経日報」3月2日)。ただし、その一方で、新型コロナの感染拡大は3年に及んだことから、企業の投資や国民の消費のマインド回復にはなお月日を要するため、2023年3月5日から開催される全国人民代表大会で披露される安定成長のための多くの施策が待たれると指摘した(同)。

(宗金建志)

(中国)

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