英国、カナダと重要鉱物分野での協力に合意、サプライチェーンに関する対話も実施

(英国、カナダ)

ロンドン発

2023年03月28日

英国政府は3月6日、カナダ政府との間で、コバルトやリチウムなど重要鉱物に関し協力することで合意した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。合意内容は、合同主旨書(Joint Statement of Intent、カナダ政府発表)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのかたちで発表された。主旨書では、両国間で重要鉱物サプライチェーン対話を設置することが盛り込まれた。同対話を通じ、情報共有、投資促進、両国企業の関係構築を図ることで、英国・カナダ間のサプライチェーンを構築するほか、重要鉱物のバリューチェーンにおいて、ESG(環境・社会・カバナンス)に資する活動を推進するとしている。さらに、バリューチェーンの上流から中流、さらには再使用・リサイクルといった下流部門において、両国が有する強みを生かし企業、アカデミア、政府のスキル共有、研究開発を促進するとした。

2022年7月に英政府は重要鉱物戦略を公表(2022年8月3日記事参照)し、2023年中に戦略の実行に向けた新たなアプローチについて発表を行う予定としている。同戦略では、サプライチェーンの強靭(きょうじん)性強化や、水素、原子力などのグリーン市場での地位確保を強調しており、国際パートナーとの協業を1つのアプローチとしている。今回のカナダとの合意はその一環だ。

歳入関税庁(HMRC)によると、2022年の英国のカナダからのコバルト関連品(注)の輸入額は1,963万ポンド(約31億4,080万円、1ポンド=約160円)で当該品の世界からの輸入額全体の約11%を占めている一方、リチウム関連製品は21万ポンドで世界からの輸入額全体の約0.15%と少額にとどまっている。

(注)各品目のHSコードは以下のとおり。

コバルト:260500810520810530810590、リチウム:282520283691

(レイナー・あや)

(英国、カナダ)

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