ジェトロ、大連市で「2023製造業DX推進の事例セミナー」開催

(中国、日本)

大連発

2023年03月02日

ジェトロは2月24日、中国大連市の日系製造業の集積地である金普新区の東方大厦(ホテル)で「2023製造業DX推進の事例セミナー」を開催した。2023年に入ってジェトロが実施した初のオフラインによる同セミナーには、定員60人を超える多数の応募があり、定員枠を拡大して70人以上の参加となった。日系製造業企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化への関心の高さがうかがわれた。

製造業のDX化とは、人工知能(AI)などを駆使してデジタル化を促進し、業務を効率化することで、製品・サービスを利用する人々の生活をより良い方向に変化させることを指す。社会・経済面で世界規模でのデジタル化が加速する中、DX推進はあらゆる企業にとって、変化の激しい時代で競争優位性を維持し続けるための重要なツールとなっている。

同セミナーは、業務効率化や生産性の向上を目指す在大連日系製造業向けに、日系企業との取引実績が豊富で日本進出も検討している大連のIT事業者3社が講演した。杉本信息技術(大連)、大連金勺科技、大連久鵬電子系統工程で、ぞれぞれ(1)製造工場の可視化の応用事例、(2)中国独自の知財を有するGs3D産業デジタルツインシステム(注)の取り組み事例、(3)モノのインターネット(IoT)システム開発と設備管理のトータルソリューションについて説明した。

セミナー終了後のアンケートによると、「バーチャル工場、不良品の検出、設備の保全、ペーパーレス化」などについて、参加者の関心が高かった。そのほか、「DXを導入したメーカーへの見学」や「システムのカスタマイズ化」を希望する企業もあった。一方で、「DX化のメリットは分かるが、コストが高いため、中小企業では導入が難しい」との声も上がった。

写真 セミナー会場の様子(ジェトロ撮影)

セミナー会場の様子(ジェトロ撮影)

(注)大連金勺科技が独自開発したデジタルツインシステムの名称。

(李莉)

(中国、日本)

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