ジェトロ、スリランカ・バングラデシュセミナーを開催

(スリランカ、バングラデシュ、日本)

コロンボ発

2023年03月09日

ジェトロとスリランカの大手民間銀行のセイロン商業銀行は228日、バングラデシュのダッカで、スリランカの経済状況の発信やスリランカ企業と日本企業との協業促進を目的とするセミナーを開催した。ジェトロからスリランカの経済概況や日系進出企業の操業状況を説明するとともに、バングラデシュで事業を展開するスリランカ企業3社が日本企業との連携拡大に向けた講演を行った。

開会あいさつで、セイロン商業銀行バングラデシュ支店の最高経営責任者(CEO)ナジス・ミーワナゲ氏は「日本企業が日本と友好関係を誇るスリランカ、バングラデシュとともに、新たなビジネス機会を創出することを期待する」と述べた。

ジェトロ・コロンボ事務所の大井裕貴所長は、2022年春以降の経済危機が現地の日系進出企業に与えた影響を解説した上で、治安の安定化や燃料確保に伴って経済の回復へと向かいつつある現地情勢を説明した。また、スリランカが期待する投資分野として、観光や物流、人材やITなどを紹介した。

ソフトウエアの受託開発や、HR(人事管理)ソフトウエア提供などの事業を世界40カ国で展開するセニッド社のセールス・リレーションシップマネジャーのアズマット・ジャマール氏は、バングラデシュでのサービス内容や研究開発状況を紹介した。また、日本語を駆使する自社人材による日本企業との8年にわたる協業実績や、IT企業のメタテクノ(本社:川崎市)と連携して日本語、英語、情報通信技術(ICT)をスリランカ人学生に教育する大学運営事業を取り上げた。

SGホールディングス(本社:京都市)が出資するエクスポランカの子会社で、世界39カ国で物流サービスを提供するイーエフエルのセールスマネジャーのザイード・チョウドリ―氏は、バングラデシュで生産した製品を国外に効率的に輸送するため、スリランカ政府からの認可の下、関税や書類手続きが免除される「フリーポート」を保管倉庫として活用することを提案した。

セイロン商業銀行はバングラデシュに進出する日系企業に対して、銀行概要やバングラデシュの経済概況、バングラデシュへの外国企業による投資状況を説明するとともに、口座開設や会社設立、送金や決済などバングラデシュでの円滑な事業展開を支援する「ジャパンデスク」のサービスを紹介した。

セミナーの参加企業からは、IMFによる金融支援に向けた進捗状況や、現地の輸入規制の変化に関する質問とともに、現地の建設プロジェクト進展やスリランカへの輸出再開を期待する声が上がった。

写真 サービスを説明するセイロン商業銀行ジャパンデスク担当者(ジェトロ撮影)

サービスを説明するセイロン商業銀行ジャパンデスク担当者(ジェトロ撮影)

(大井裕貴)

(スリランカ、バングラデシュ、日本)

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