スリランカ、電気料金を66%引き上げ

(スリランカ)

コロンボ発

2023年03月01日

スリランカのセイロン電力公社(CEB)は2月15日、電気料金を66%引き上げた。過去6カ月間で2回目の電気料金の引き上げとなる。2022年8月の税率改定では、産業向けの電気料金を2.1倍引き上げていた。

ラニル・ウィクラマシンハ大統領は、料金改定後には停電のない電力供給を確保するよう、電力・エネルギー相と関連当局者に求めていた。電力・エネルギー省は、規制当局のスリランカ公益事業委員会(PUCSL)が電気料金引き上げを承認した翌日の2月16日からは停電が発生していないことを確認している。これにより、2022年2月から続いてきた計画停電が終了することになった。電気料金の引き上げについては、閣議で承認されていたものの、PUCSLで1カ月以上にわたり議論が進められていた。

今回の価格改定では、多くの市民が使用する家庭向けを含めて、電気料金が大きく値上げされた(別添資料参照)。月間使用量が30キロワット時(kWh)の場合、月額360スリランカ・ルピー(約133.2円、1スリランカ・ルピー=約0.37円)から1,300スリランカ・ルピーと、3.6倍となる。月間使用量が60 kWhの場合は月額780スリランカ・ルピーから2,560ルピーと3.3倍、90kWhの場合は1,380スリランカ・ルピーから3,920スリランカ・ルピーへ、2.8倍になる。

今回の値上げは産業界や市民への影響が懸念されている。自由貿易区製造業者協会(FTZMA)は「国内の産業界は既に2022年の料金値上げでエネルギーコストが2倍になり、競争力に大きな影響を与えた」と発言している。国内各地では電力料金改定を巡る抗議活動も展開されている。

(ラクナー・ワーサラゲー、大井裕貴)

(スリランカ)

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