2022年第4四半期の失業率は6.3%に改善、2023年は8.0%と悪化見通し

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2023年03月30日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は3月22日、2022年第4四半期(10~12月)の国内31の都市圏を対象とした世帯アンケート(EPH)に基づく労働力調査の結果を発表した。それによると、完全失業率は6.3%で、前期比0.8ポイント減、前年同期比では0.7ポイント減と改善したものの、2004年以来の低い水準だった(添付資料表参照)。

2022年第4四半期の就業人口は全人口の44.6%で、前期比0.4ポイント増、前年同期比では1.0ポイント増と改善した。就業人口の内訳をみると、給与所得者は73.6%で前期比1.1ポイント増、前年同期比で0.6ポイント増加した。給与所得者のうち社会保障費を支払っていない就業者、いわゆる非正規雇用は35.5%を占め、前期比で1.9ポイント減少したものの、前年同期比では2.2ポイントと大きく増加した。この非正規労働者の増加が就業人口の拡大につながっているとみられる。

完全失業率を男女別(14歳以上)にみると、男性が6.0%で前期比0.5ポイント減、女性は6.7%で前期比1.1ポイント改善した。前年同期比では、男性0.4ポイント、女性1.0ポイントのそれぞれ改善が見られた。性別・年齢階層別にみると、14歳から29歳までの男性の完全失業率は12.6%で、前期比1.7ポイント減、前年同期比0.9ポイント減。同世代の女性も13.6%で、前期比3.0ポイント大幅減、前年同期比で2.6ポイントと大きく改善した。しかし、若年層の失業率の高さは依然として課題とされている。

2022年第4四半期の経済成長が季節調整済み前期比1.5%減と落ち込んだにもかかわらず、失業率が改善した理由として、多くのエコノミストらは「景気動向が労働市場に与える影響への反応が遅いだけ」としている。今後の見通しとしては「2023年の経済は低迷し、年末の失業率は約2ポイント増の8.0%となる」としている。アルゼンチン工業連盟(UIA)が実施したアンケート調査では、2023年1月から工業に関連する雇用に減少傾向が見られたという。調査対象企業の17.8%が人員削減を開始したと回答している(現地紙「インフォバエ」電子版3月26日)。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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