フィッチ・レーティングス、韓国の信用格付けを「AAマイナス」で据え置き

(韓国、米国)

ソウル発

2023年03月20日

韓国企画財政部は3月13日、フィッチ・レーティングスが韓国の信用格付けを「AAマイナス」、格付け見通しを「安定的」に据え置いたと発表した。同社は2023年の韓国の経済成長率が1.2%に鈍化する(注1)としたものの、2024年は2.7%となる見通しを示した。

韓国のインフレ率については、2022年7月の6.3%とから2023年2月は4.8%に低下し、2023年末には2.0%に低下すると予想した。基準金利については、2023年は現在の3.50%水準で推移し、2024年に入り、50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下がると予想した。

財務健全性については、2023年から厳しい健全化措置が実施されており、GDPに対する財政赤字額の比率は2022年の2.7%(注2)から2023年には1.0%に低下すると予想した。他方、対外健全性については、継続的な経常収支黒字、大規模な対外純資産などを考慮すると、財務健全性は健全で、世界的な不確実性に十分に対応できると評価した。

(注1)2023年上半期の輸出は半導体を中心に不振が見込まれ、金利高が投資や消費を抑制する恐れがある。また、中国のリオープニング(経済活動再開)は経済成長の下方圧力を緩和する効果があるものの、サービス業中心の回復であることから、効果は限定的となる可能性がある。

(注2)フィッチ・レーティングスの見通し。

(当間正明)

(韓国、米国)

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