米運輸省、EV充電施設拡充へ25億ドルの新たな助成金発表

(米国)

ニューヨーク発

2023年03月16日

米国運輸省は3月14日、2021年11月に成立したインフラ投資雇用法による、電気自動車(EV)用充電と代替燃料供給インフラの拡充に向けた助成金プログラム(CFIプログラム)への第1次申請受け付けを開始すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。バイデン政権は、2030年までに全新車販売の50%以上をEV、燃料電池車(FCV)にすることで運輸部門の脱炭素化し、米国の温室効果ガス(GHG)排出量を2005年比で50~52%削減することを目標に掲げている。全国に合計50万基のEV用充電器を設置する今回のCFIプログラムでEV、FCVの普及促進を図る。

CFIプログラムは、市や郡、地方自治体、先住民族などに対し、都市部や農村部、十分なサービスが行き届かないコミュニティー、代替燃料回廊(注1)での充電施設の設置を目的に、向こう5年間で合計25億ドルを提供するもの。既にインフラ投資雇用法の下では、各州政府(注2)に対して、州間高速道路などへの設置を目的に、5年間で50億ドルを提供するEV充電プログラム(NEVIフォーミュラプログラム)の運用が開始されている(2022年9月29日記事参照)。政府は、今回のCFIプログラムにより、NEVIフォーミュラプログラムでカバーされない、地元により密着したエリアへの設置を充実させることで、EV普及を促進させたい意向だ。米連邦高速道路局(FHWA)のシャイレン・バット局長は「FHWAは、大小さまざまな町や都市が地元経済の公平性と経済機会を促進し、2050年までに米国のGHG排出量をネットゼロにする、現代的で持続可能なインフラを構築することを支援する」と述べた。

CFIプログラムでは以下2つを対象に、それぞれ12億5,000万ドルを提供する。

  1. コミュニティープログラム:公共のアクセスが可能な、道路や駐車施設などに設置されるEV用充電施設や、水素、プロパン、天然ガスの燃料供給インフラ。
  2. 回廊プログラム:代替燃料回廊に沿って設置された、公共のアクセスが可能なEV用充電施設や水素およびプロパン、天然ガスの燃料供給インフラ。

CFIプログラムへの申請要件と方法は米国政府のウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載されている。申請期限は2023年5月30日。また、CFIプログラムを管轄するエネルギー省と運輸省の共同オフィスが3月から4月にかけてウェビナー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開催する。

(注1)代替燃料回廊(Alternative Fuel Corridors外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は、陸上交通修繕法(FAST法)セクション1413の下、電気、水素燃料電池、プロパン、天然ガスの燃料供給技術を採用する乗用車、商用車の全米での機動性を向上させるため、連邦政府が主要な高速道路沿いに指定した充電・代替燃料供給施設を結ぶネットワーク。

(注2)全米50州のほか、プエルトリコ、首都ワシントンも対象に含まれる。

(大原典子)

(米国)

ビジネス短信 1bb0cb708d61dd30