マンダリンなどモロッコ産かんきつ類の対日輸出が可能に

(モロッコ、日本)

ラバト発

2023年03月17日

日本の農林水産省は2月24日、植物防疫法施行規則の一部を改正し、マンダリンやクレメンティンなど一部のモロッコ産かんきつ類について、日本への輸入を解禁する省令を公布し、同日から施行した。植物検疫の観点からこれまで、モロッコ産かんきつ類の日本への輸入は認めていなかったが、今回の同省告示第343号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにより、一定の条件を満たせば輸入が可能となった。

アフリカでは、検疫有害動植物のチチュウカイミバエの発生が確認されていることから、アフリカから発送または経由したミカン科植物の生果実については、日本への輸入が禁止されてきた。しかし、国際植物防疫条約では、マンダリンやクレメンティンが属するシトラス・レティクラタ、シトラス・クレメンティナの生果実でのチチュウカイミバエの殺虫処理基準が制定されており、モロッコ政府は当該基準に基づく処理を適用したモロッコ産マンダリンとクレメンティンの輸入解禁を日本政府に要請していた。なお、オレンジは引き続き輸入解禁の対象外となっている。

同省告示第343号で示した輸入条件の概要は以下のとおり。

  1. モロッコで生産・発送され、他の地域を経由せず、船積み貨物として輸入されるシトラス・レティクラタ(マンダリンなど)、シトラス・クレメンティナ(クレメンティンなど)であること。
  2. モロッコ植物防疫機関による検疫有害動植物の付着の有無や消毒に関する検査がなされ、植物検疫証明書(注1)が添付されていること。
  3. モロッコ植物防疫機関によって封印された低温処理コンテナー(注2)で輸送されること。
  4. あらかじめモロッコ植物防疫機関が指定した消毒のための適切な設備を有した低温処理コンテナーで、定められた消毒が行われていること(注3)。

(注1)植物検疫証明書には「チチュウカイミバエに侵されていない」「定められた消毒が行われたものである」と特記する必要がある。

(注2)冷蔵設備を有する海上輸送用コンテナーを指す。

(注3)マンダリンなどは果実の中心部が摂氏2.0度となってから23日間その温度以下、クレメンティンなどは果実の中心部が摂氏2.0度となってから16日間その温度以下で消毒する必要がある。

(本田雅英)

(モロッコ、日本)

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