ダイキン工業、中東2カ国目の組み立て工場がサウジアラビアで稼働
(サウジアラビア、日本)
リヤド発
2023年03月16日
ダイキンエアコンディショニングサウジアラビアは2022年10月10日、サウジアラビア・リヤド近郊に組み立て工場を設立し、本格的に稼働した。同工場は中東・北アフリカ(MENA)地域でアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに次ぐ2カ国目となる。同工場の設立と稼働状況について、大歳和也・現地法人社長に話を聞いた(3月6日)。
ダイキン工業のサウジアラビア進出は2013年(2014年2月12日記事参照)。同社の100%子会社ダイキンヨーロッパが同国の財閥主導の事業投資会社リラックと合弁でダイキンエアコンディショニングサウジアラビアを設立、同年12月からエアコンの輸入販売やアフターサービス業務を開始した。
ダイキン工業はサウジアラビアについて、空調市場としての成長性が期待できることや、同国政府が国家改革「ビジョン2030」でローカルコンテンツ化に取り組んでいることから、成長市場と捉えている。同社は今後数年間でサウジアラビアをリードするHVAC(空調システム)企業となるため、5年間の戦略経営計画Fusion25(注)を策定しており、現地市場のニーズに応えるため、その第一歩としてサウジアラビア国内に組み立て工場を設立した。
工場はリヤド市から約150キロ離れたサウジアラビア工業用地公団(MODON)が運営するスデイル工業団地に位置する。総敷地面積は1万400平方メートル、従業員数は26人。ISO 14001、9001、45001など複数の国際認証を取得している。
同工場団地を選定した理由について、大歳氏は「リヤド、ジッダ、ダンマームの3地域の中から物流面を中心に総合的に考慮し、顧客のキーマンがリヤドに位置することも多いため、リヤド近郊で(工場設立場所を)探していた。MODON幹部との打ち合わせの中で、リヤド近郊(リヤド市まで車で約1時間)であり、インフラや物流面でも問題のないスデイル工業団地を選択した。これまで立地上での大きな問題は起きていない」と述べた。
工場稼働後の操業は順調で、顧客からの引き合いが増加している。大歳氏は「ダイキンがサウジアラビア国内に工場を有することに対し、顧客の反応は想像以上に良好だ。2022年度の生産目標は当初の目標を超える見通し。次年度はさらなる生産拡大も視野に入れて検討していく」と次なる一歩を見据える。
(注)環境と空気の新たな価値を提供し、サステナブル社会への貢献とグループの成長を実現するために策定した、同社の2021年度から2025年度までの戦略経営計画。
(林憲忠)
(サウジアラビア、日本)
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