AI問診システムのユビー、米国でのサービス展開へ

(日本、米国)

イノベーション促進課

2023年03月02日

AI(人工知能)による問診システムなどを手掛けるスタートアップのユビー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(本社:東京都中央区)は、202210月に米国拠点を設立した。同社の共同代表取締役である久保恒太氏に、米国における今後の事業展開について話を聞いた(23日)。

写真 久保恒太 ユビー共同代表取締役(ジェトロ撮影)

久保恒太 ユビー共同代表取締役(ジェトロ撮影)

ユビーは、自身の症状に合わせた20問前後の質問に回答することで、症状に関連する参考病名を提示し、医療機関などへの受診行動を支援してくれる生活者向けの症状検索エンジン「ユビー」と、患者の症状に合わせてAIが自動で問診を行い、医師のカルテ記載業務の効率化を図る医療機関向けWEB問診システム「ユビーAI問診」を展開している。

生活者向け症状検索エンジンは、日本国内では2020年にリリースしてからすでに月間700万人の利用者を獲得しているなか、米国においても同様の個人向けサービス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの展開を進めているところだ。「現地にも症状チェックアプリを提供する有力企業はいるが、より質問の精度が高い点がユビーの強み」と久保氏は語る。さらにユビーは、医療機関向けシステムも有していることから、最終的に医師が正しい病状を選択することで、AIの提示したデータを検証することができる。日本のデータベースを基礎としながら、対象疾患や設問は米国向けにカスタマイズしており、今後利用者数拡大とデータベースの拡充に力を入れていく。

また、現地製薬会社との連携や医療機関向けサービスの展開も視野に準備を進めている。患者自身が病院を選択して受診ができる日本とは異なり、米国の医療制度では民間医療保険を提供する保険会社が契約する医療機関の中から、かかりつけ医を選んで受診をするなど、日本の医療体制との違いが大きい。現地医療体制などの環境に合ったサービスの提供に向けた新規事業の企画などを担う人材を求めている。「テクノロジーで人々を適切な医療とつなぐ」という同社のミッションの実現に向け、人員増強により米国展開を加速させていく意向だ。

(佐々木栞里)

(日本、米国)

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