日本産甘藷のプロモーション、スイーツをターゲットにベルギーで実施

(ベルギー)

ブリュッセル発

2023年03月08日

ジェトロは3月6日、ベルギー・ブリュッセルで、日本産甘藷(サツマイモ)のプロモーションのためのイベントを実施した。ベルギーにも地元産の甘藷が流通しているが、現地では「忘れられた野菜」とも呼ばれ、長らく消費が低迷していた。しかし近年は、ビタミンや食物繊維の含有量が多く、GI値(注)の低いヘルシーな食材として注目が高まり、外食産業などでメニューに取り入れられることが増えてきた。ジェトロでは、そのトレンドを捉えつつ、味・食感においてベルギー産と差別化が容易な日本産甘藷の売り込みを目指し、今回のイベントを企画した。

イベント実施に当たっては、ベルギー産に比べて甘みが強く、滑らかな食感が特徴の日本産甘藷の特徴が生かせ、かつ現地消費者の受容性が高いとみられるスイーツにターゲットを絞った。ブリュッセルの著名な菓子職人(パティシエ)9人に協力を依頼し、それぞれに日本産甘藷を使ったスイーツのレシピを考案してもらった。今回のイベントでは、ブリュッセルのメディア関係者、インフルエンサーに加え、ケーキ店・ベーカリーショップ・カフェの関係者など約40人を招き、9人のパティシエが考案した「さつまいもスイーツ」の試食を行った。

写真 イベントで提供されたスイーツ(グレッグ・デ・レーウ氏撮影・提供)

イベントで提供されたスイーツ(グレッグ・デ・レーウ氏撮影・提供)

独特の風味をパティシエも評価

今回のキャンペーンに協力したパティシエからは、日本産甘藷の持つ主張の強すぎない甘さを評価するとともに、ねっとりとした独特のテクスチャーが面白いという声が聞かれた。また、バニラやココナツなどの甘い風味や、ユズ・レモンなどの柑橘(かんきつ)類との相性の良さを指摘するコメントもあった。一方で、ベルギー産とは特徴が大きく異なることから、レシピを仕上げるまでには、いずれのパティシエも複数回の試作を重ねており、今後より裾野を広げていくためには、調理の参考となる調理方法や、鮮度を保つための適切な保管方法などの情報提供の強化も望まれる。

今回、開発された「さつまいもスイーツ」は、消費者へのプロモーションのため、ブリュッセル市内の以下の11カ所の店舗で3月14~24日に、日本産甘藷キャンペーンとして販売される予定。

  1. Callier(カイエ)
  2. Chouconut(シューコナッツ、2店舗)
  3. Fine(フィヌ、2店舗)
  4. La Forêt Noire(ラ・フォレ・ノワール)
  5. Sandrine & Yatto(サンドリーヌ・エ・ヤット)
  6. Sasaki(ササキ)
  7. Tartes du monde(タルト・デュ・モンド)
  8. Van Dender(ヴァンデンダー)
  9. Viage Chill(ヴィアージュ・チル)
画像 キャンペーン実施のためのロゴマーク(ジェトロ作成)

キャンペーン実施のためのロゴマーク(ジェトロ作成)

(注)グリセミック・インデックスの略。GI値が低いほど、食後の血糖値の上昇率が低いとされる。

(山田泰慎、鈴木由美子)

(ベルギー)

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